出版社内容情報
殺人現場に残された愛犬の痕跡――真実を知るのは、その瞳だけ。
デビュー10周年、著者入魂の慟哭ミステリー!
高級住宅地で一人暮らしの老女が殺害された。部屋には、かつて犬を飼っていた痕跡があり、刑事たちは周辺の捜査を開始する。一方、雑誌記者の鶴崎は、あるスクープをモノにするためコンビニでアルバイトを始める。同じコンビニで働く松本の過去を知る鶴崎は、松本が突然犬を飼い始めたことに驚愕するが――。
深まる謎、犬との絆に感涙&一気読み必至!
貫井徳郎氏も驚嘆の長編ミステリー。
「細かい違和感を憶えておいて。最後に『なるほど』と思うから」
内容説明
殺人現場に残された愛犬の痕跡。真実を知るのは、その瞳だけ。
著者等紹介
佐藤青南[サトウセイナン]
1975年長崎生まれ。「ある少女にまつわる殺人の告白」で第9回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞を受賞し、2011年同作でデビュー。2016年『白バイガール』で第2回神奈川本大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
366
王様のブランチBOOKコーナーで紹介されたので、読みました。佐藤 青南、初読です。ワンコユーモアミステリかと思いきや、シリアスな社会派ミステリの佳作でした。 https://j-nbooks.jp/novel/columnDetail.php?cKey=1922022/11/30
fwhd8325
226
私にとって相性のいい作家さんだと思います。今まではずれた記憶がありません。今回も二転三転と楽しませていただきました。主人公は犬。犬は純粋な動物なんだと思いました。きっと佐藤さんは、犬が大好きなんだろう。面白い作品でした。2023/03/14
エピファネイア
179
佐藤青南さん初読み。このミステリーがすごい大賞の優秀賞をきっかけに頭角を現した作家さん。犬を散歩させているのをよく目撃されていた裕福な老婆が殺されているのが見つかる。現場には犬はいなかった。すでに亡くなっていたのか、あるいは連れ去られたのか。犬好きとしては「犬を盗む」というタイトルに心がざわつく。「シロ」、「ショコラ」など多くの犬が出てくるが「ムサシ」が辿った運命のあまりの衝撃に言葉が出ない。「シロ」には幸せになってほしい。各章の冒頭で語られるシロの独白がいいな。我が家の犬が何を呟いてるのか聞いてみたい。2023/02/04
モルク
149
高齢の資産家女性が殺された。彼女が飼っていた白いチワワは1年前に死んでいたが…。コンビニで夜間バイトをする松本はアパートでチワワシロを飼い始める。バイトの後輩鶴崎は松本の過去の事件を取材するフリーライター。彼に近づき犬の散歩を申し出る。各章の初めに犬目線の語りが入り真相の鍵となる。そこにミステリー作家真紀が掻き回す。全てを見ていたシロ。臆病でなかなか人になつかないシロがなぜ松本や鶴崎になついたのか、そして松本の過去の事件の真相もわかり松本とシロの生活が穏やかに続くことを祈る。しかし松本の父と真紀は許せん。2023/11/18
reo
128
ここのレビューを見て、何となく面白そうだと思い図書館に予約。最後の展開は、やや無理筋っぽいと感じたがマァそれもありかな。余談だが最近の風潮として、幼稚園や保育園で親同士の呼び名が「〇〇ちゃんママ」とかいうらしいが、ペットの飼い主も同様「〇〇ちゃんママ」と呼び合うらしい。思うになぜ普通に苗字で「○○さんと」呼ばないのだろうか。今一つよう分からん。本は普通に面白かった😄2023/04/19