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駒音高く

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  • サイズ B6判/ページ数 235p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784408537344
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

棋士を夢見る少年、引退間際の名人、将棋会館の「おそうじのおばさん」……将棋の世界に生きる7人の人生を描く感動作。

内容説明

プロを志す中学生、引退間際の棋士、将棋会館の清掃員…。勝負の世界で歩を進める七人の青春。青春・家族小説の名手が温かなまなざしで描く珠玉の連作短編集。

著者等紹介

佐川光晴[サガワミツハル]
1965年東京都生まれ、茅ヶ崎育ち。北海道大学法学部卒業。2000年「生活の設計」で第32回新潮新人賞、2002年『縮んだ愛』で第24回野間文芸新人賞、2011年『おれのおばさん』で第26回坪田譲治文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

utinopoti27

170
運の入り込む余地のない完全情報開示ゲーム『将棋』。盤を挟めば老若男女、出自の違い等一切関係なく、ひたすら己の知略を尽くして勝利を目指すのみ。それだけに、自らを仮託した王将を詰まされる「負け」の厳しさは、他のゲームを遥かに凌駕する。プロを目指し、あるいは断念する子ども。その親、観戦記者等々、本書はそんな将棋にまつわる様々な人生の断片を綴る、7つの短編集だ。それぞれの人物の視点や感情の揺れが丁寧に描かれている中、引退がちらつく老棋士のエピソードが印象深い。勝負師の幸せとはこういうことなのだろう。心温まる良作。2019/12/07

R

121
将棋そのものではないけども、周辺にある日常や、人間模様を細やかに描いた短編集でした。奨励会や、子供の将棋なんかは、将棋の風景といった感じだけども、会館の掃除をするパートのおばさんからの視線や、将棋記者という職業からの視線などが描かれているのが面白い。登場人物がみんないいひとばっかりなので、ちょっと世界が優しすぎるようにも思うが、日常系の小説としてとても楽しく読めた。2023/03/01

のぶ

113
自分は棋力の方はさっぱりだが、将棋は好きだ。なので本作はとても楽しむ事ができた。将棋に関していろいろな環境に置かれた人達を描いた7つの連作短編集。将棋を覚えたばかりで強くなりたい少年。奨励会でプロを目指そうとする卵たち。プロで引退を目前にしたベテラン棋士等、様々なドラマが展開されていた。どの物語にも共通しているのは、将棋の面白さや勝負の厳しさ。自分は実際の将棋界で起こったドラマを見て来たが、全く違和感なく読み進む事ができた。将棋の好きな人には一層、知らない人にもそれなりに楽しめる作品集だと思う。2019/02/24

chimako

105
将棋をさすことは出来ない。ルールも分からない。が、面白い。登場人物の配置が絶妙で飽きさせない。文字通り「必死」で駒を進める子どもたちと大人たち。夢を諦める瞬間の切実な悲しみや止める事の出来ない涙。負けた悔しさで喉を通らないお弁当。 女流棋士ではなく女性棋士を目指す娘のしあわせを考える親。ここに登場する人々はみんなが礼儀正しくしっかりものを考える。だから読んでいて気持ちが良い。しゃんとする。最初と最後に登場する大辻弓彦四段。負けて目を真っ赤にした少年の歩んできた道程の厳しさが伝わってくるようだった。2019/09/05

トラキチ

94
個人的に最近将棋に興味があることで手に取ったが、まるでノンフィクション作品を読んだかのごとく感じたのは作者の将棋愛がもたらしたことだと思われる。奨励会や三段リーグなど将棋に関する知識の有無が本書を手に取って理解できるかどうかの最大の分岐点になろうかと思うけれど、少なくとも何かに打ち込むことの大切さを教えてくれるのは間違いのないところであろう。 冒頭の将棋会館の清掃のおばさんなど将棋の棋士を目指している人以外にもスポットライトを当てていて、多面的に将棋を捉えて書かれているところが素晴らしい。2019/10/31

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