内容説明
部下や自分の娘とのコミュニケーションに悩む中年課長、取引先の仕事や自分の容姿にためいきをつく女性ライター、同じ事務所でつきあっていた男に二股をかけられたモデル、こんな彼らが遭遇した不可解な事件の謎を女清掃人探偵キリコが解明する本格ミステリー。そして彼女自身の家でもまた頭を悩ます出来事が…。
著者等紹介
近藤史恵[コンドウフミエ]
1969年大阪生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒。1993年『凍える島』(創元推理文庫)で第4回鮎川哲也賞を受賞しデビュー
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感想・レビュー
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あつひめ
133
大介との絡みが少なくなり最終章のストーリーと、あとがきの近藤さんの言葉。こういう家族や夫婦って多いんだろうな…と感じた。そして、一生懸命生きているキリコみたいな人も。探偵ごっこは相変わらず。事件性を疑わせるようなものまで出てきた。でも、清掃員としての観察力は冴えている。その時間だけが自分に戻れる大事な時間なのかも。普通の主婦だってキリコと同じような気持ちを持っている気がする。大事な人のためにも自分が自分でいられるようにしたいって…。大介、貴方はどうする…。展開が楽しみ…。2013/06/27
hirune
96
キリコはその後もあちこちにお掃除の仕事に行き、人助けしたりしてます。もう大介は出てこないのかしら?と思ったら最終話に出てきました。相変わらず気が弱くて自信がなく、キリコの心が不安で右往左往している。しかし大介の親戚は酷いよね。介護を他人に押し付けてるくせに!キリコは世話好きだけど、純粋にその人の本当の望みを叶えようと頑張るから、世間体とか対面とかが大事な人には嫌われるのね。2014/10/26
文庫フリーク@灯れ松明の火
91
相変わらず居心地悪いエピローグ、なのに読み口は軽い「悪い芽」仕事絡みは染みるなぁ、読み進めた「オーバー・ザ・レインボウ」「鍵のない扉」登場はいつかと思えば巻末「きみに会いたいと思うこと」こちらも変わらず、独りぐだぐた大介。有能で魅力溢れるモップの精。引け目感じるのも誠実で有りたいと思うのも唯一の想いから。自立・一部介助・全介助。モップの精は有能すぎるけど、ダイソン?からの想いとお祖母さんへの手紙。してやられた感が嬉しい。善きかなエピローグ。2011/05/06
kazu@十五夜読書会
90
清掃人探偵キリコシリーズ第2作・4章の短編。大介の会社の掃除人だったキリコが、事情により短期派遣清掃の仕事を始めた、派遣された掃除現場で知り合う人物の視点・謎解きとなる。《悪い芽》部下や娘との意思疎通に悩みストレスの溜まる課長がキリコの作業時の奇抜なおしゃれな服装に注文をつけるが、若いキリコの合理的な考えに丸め込まれてしまい、キリコと話す為早く出勤するようになる。そして中途採用の社員と有能と噂の有る部長がやってきて、社内の雰囲気が変わったことをキリコに教えられ…有能な部長の実態が明らかになる。 2013/06/07
ゆみきーにゃ
79
《図書館》シリーズ二作目。キリコに出会えて本当に良かった。2014/12/17