内容説明
いる。みんな、いる。なくなってなんかいない―。ある日、根室の海で海翔はほくろのあるカモメに出会った。
著者等紹介
村中李衣[ムラナカリエ]
1958年山口県生まれ。ノートルダム清心女子大学教授。0歳から100歳まで絵本の読みあいを続ける。『おねいちゃん』(理論社)で野間児童文芸賞、『チャーシューの月』(小峰書店)で日本児童文学者協会賞受賞。小児病棟における絵本の読みあいで第一回日本絵本研究賞受賞。日本児童文学者協会会員
こしだミカ[コシダミカ]
1962年大阪府生まれ。『ほなまた』(農文協)、『でんきのビリビリ』(そうえん社)でプラティスラヴァ世界絵本原画展入選(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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おはなし会 芽ぶっく
14
第46回北海道指定課題図書 高学年(5・6年生) 絵を担当しているのは、こしだミカさんと、北海道根室の子どもたち。6年生の海翔は、東日本大震災で家族と根室に移り住んだ。温かく受け入れてくれた根室の人々との交流、東北(気仙沼)に思いを残している海翔の心、明るく振る舞っているお母さんなどの描写が丁寧です。サンマ漁やベトナムからの研修生との交流も絡み、明るい希望も感じました。2020/02/24
Midori Matsuoka
2
東日本大震災で被災して宮城県気仙沼から北海道根室へ移り住んできた小6の男の子・海翔とその家族の物語。海翔の父は造船の仕事をしていて、サンマ漁の盛んな根室で縁あって船を造る仕事をしている。父さんはいつか気仙沼に戻って再出発をしようと奮闘している。みんな明るくたくましく頑張っているけど、時折見せる深い哀しみが震災で受けた傷跡の大きさを強く感じさせる。 根室とベトナムのつながりや、海翔のお母さんの抱えている辛い思いなど、丁寧な描写に心打たれる場面が多い。2019/04/20
かん
0
👀2021/10/21
こまくさ
0
震災で全てをなくしてもたくましく夢を持って生きる父、その背中を見て生きる主人公の海翔、とにかく必死で懸命に生きてきた母、夢を抱いてやってきたベトナムからの研修生、それぞれが、互いを思いやる姿が胸にしみました。 根室の小学生が描いたサンマの絵、こしだミカさんの挿し絵、みごなごみさんの詩も加わって、たくさんの人のあたたかさで作られた作品です。2019/09/15
okatake
0
村中李衣さんの児童書です。 彼女は大学教授であり、絵本を使用した活動「絵本の読み合い」で活躍されているかたです。 これは、東日本大震災で気仙沼から根室に移住し、生活を再建し、いつか気仙沼に戻ろうと頑張っている家族を中心とした物語。 東日本大震災で離れて以来初めて親子三人で宮城に帰った後半以降にこころうごかされました。2019/05/20