内容説明
春は緑に、秋には紅く、息をのむ色にそまる千年もみじ。じいちゃんの話を聞きながら、ともあきは―。
著者等紹介
最上一平[モガミイッペイ]
1957年山形県生まれ。『銀のうさぎ』で日本児童文学者協会新人賞、『ぬくい山のきつね』(以上新日本出版社)で日本児童文学者協会賞、新美南吉児童文学賞、『じぶんの木』(岩崎書店)でひろすけ童話賞受賞。日本児童文学者協会会員
中村悦子[ナカムラエツコ]
群馬県生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yomineko@ヴィタリにゃん
58
八雲山にあるという千年もみじの木。おじいちゃんの兄、喜一さんは、戦地で「もしお互いに生きて帰れたら千年もみじを見よう」と約束していた人がいたが、彼も亡くなってしまい、代わりに息子の若月さんが約束を果たしに来た。美しいもみじの絵に心を奪われる。だからこそ余計に戦争が憎い。2024/07/31
Rosemary*
51
優しい水彩画と、遠い地で戦死したじいちゃんのお兄さんの話があいまって胸にすっと沁み入ります。お兄さんとの約束を果たすため、戦争を生き延びた方の息子さんが訪ねてきてくれました。心の拠り所であった千年もみじに会うために。再び向き合うことはできなくとも、魂はきっとこの雄大な真っ赤なモミジに再会出来たのだろう。何千年も生きた大木の圧倒的な存在に神々しさを感じる素敵な絵本。2015/10/31
とよぽん
49
図書館で出会った。最上一平さんの作品ならば、と。絵は中村悦子さんという方で、本の内容にピッタリの、とても素敵な趣のある素晴らしい絵だった。長い年月、風雪に耐えてじっと立ち続け、人々を見守り続けている木は神々しい。戦場に行った人たちの望郷の念が偲ばれる。子供が読んでどのように感受するか・・・。2020/07/27
momogaga
47
【おとなこそ絵本】巨木に触れると心が落ち着きます。包まれて、見守られているような安心感。木にも神様が宿っている、日本らしいお話でした。2021/01/11
tokotoko
45
絵も文も、すべてが静かな本です。この自転車の少年は、ともあきくんっていって、八雲川ぞいの一番上流に住んでいます。ともあきくんの生活ぶりを紹介してくれるのは、優しいタッチの絵です。どうも、じいちゃんや自然と共に暮らしているようです。秋のある日、知らないおじさんがあらわれて・・・。後半に、このタイトルの「千年もみじ」が姿を現します。圧巻の美しさなんだけれど、全然偉そうじゃなくて!少し前かがみで、来た人を優しく迎えてくれてるみたいな姿です。9月最後の1冊は淡い秋色でした。2014/09/30