内容説明
八隅は夏の到来とともに、高校生活のすべてをかけてきた陸上部を引退した。陸上で大学推薦を決めて、走り続けているのは司馬だけ。ありあまる才能を持ち、傲慢なほど奔放な司馬だが、八隅との恋に苛ついている。何度体をつなげても、届かないものがあるようで…。そして二人は、夏の終わりの海を目指す―。湘南を舞台に描く、センシティブな二つの恋の物語「17才」と「向こうの縮れた亜鉛の雲へ」を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
りんご☆
9
読了の2016/01/10
メイ&まー
5
海の町を舞台にした短編2編。実際にちょびっとリンクしてますが、どちらも同じ雰囲気をもつ姉妹編というにふさわしいお話。身体を結ぶ関係が先行していて、いつしか相手と自分の気持ちが見えなくなり不安に駆られ壊れそうになりながら、どちらかが立ち上がって相手の手を引いてリスタートに向かう・・・。真夏の熱を残した海のけだるいうねりみたいな作品でした。イラストの坂井さんのマンガにも通じるような雰囲気だと思います。あとがきにある、「17才」の10年後のお話、どこかで掲載実現したのかな。。あるのならば読みたいなあ。2010/10/03
華里
3
再読。やっぱり菅野さんのシリアスは文学的すぎるなぁ。BLというよりJUNEに近い。コメディやエッセイの方が好きだな。イラストは坂井久仁江さん。国枝彩花の名義でBL描くのはこの本より後なのかな…?2011/03/05
しましま
2
再読。『17才』と『向こうの縮れた亜鉛の雲へ』収録。表題作は攻が心中しようとするのを、最終的には受が引き止める話。愛し方が下手な攻と、それを許す気持ちは恋なのか悩む受という高校生らしい青さが良かった。向こうの〜はいつもの(?)走れなくなった陸上選手と、どこまでも相手を許して慰めるけど愛情を渡せない受、の話。菅野さんの書かれる焦燥や情は馬鹿な自分には遠い感情なのでいつも難しいけどそこがまた面白いとこでもあります。2015/04/26
扉のこちら側
2
初読。2001年頃。2010/01/22