内容説明
ハイデガーを嘗めるように読んだ木田元が示す現代思想の新しい地平。
目次
第1回 ハイデガーの講義録の面白さ
第2回 “実在性”と“現実性”はどこがどう違うのか
第3回 「世界内存在」という概念の由来
第4回 ハイデガーの悪癖
第5回 古代存在論は制作的な存在論である
第6回 自然について
第7回 プラトンと哲学の発足
第8回 「世界内存在」再考
第9回 専門的常識の誤り
第10回 プラトンとアリストテレス、キルケゴールとニーチェ
著者等紹介
木田元[キダゲン]
1928年山形県生まれ。1953年東北大学文学部卒業。中央大学名誉教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
風に吹かれて
17
ハイデガーの膨大な講義録などから拾い出したトピックをもとに書かれた哲学エッセイ。「大航海」43号(2002年7月)~52号(2004年10月)掲載。著者の入門書的な本をいくつか読んできたので、それらで読んだ中身と重複するところがあるが、復習も兼ねて、ということと、学者としてのハイデガーを改めて認識した。授業や講義で面白いのは本筋と離れた知見が披露されるところだったりするわけだが、ハイデガーの講義録にもあるそういった面白みを紹介したいということで書かれた本。➡ 2019/10/29
スズツキ
2
来月はハイデガーの勉強を……と思い予習用に着手。誤訳の歴史が面白い。2015/07/29
・C・
0
著者自身も漏らしているがハイデガーの講義における横に逸れた話の面白さを伝えるのには失敗している。本題から離れて無駄話をする先生の授業などを想像して読むと少々ヘビーに感じ脱落してしまうかもしれない。だがハイデガーの古典研究における深さと面白さを確認するのには十分であり「ハイデガーの面白さ」を伝えることには成功している。2017/06/05
schaf
0
読みやすくて良かった。面倒くさいイメージのハイデガーがちょっと身近に。「講義時間がほとんどなくなったので、適切かどうかなど気にしていられなくなり、とりあえず言いたいことを言ってしまおうといった感じの下りなのだが」(P.101)とか…ハイデガー笑える。ニーチェとライプニッツについての章が特に興味深かった。ニーチェも読んでみたいなあ。運命愛も凄いと思ったけど力への意志も凄い。「…足掻け!」みたいなイメージ。違うだろうけど。SubjektとObjektの意味の転換(P.47)もわかりやすくまとめてあって助かった2009/06/15
はむ
0
ハイデッガー全集の実態に衝撃を受ける。絶対に許さないからな。 それはそうとして、木田は本当に色んな本で同じ内容を繰り返し書くよな。2023/12/10
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- 和書
- 1984 角川文庫