著者等紹介
キャロル,ルイス[キャロル,ルイス][Carroll,Lewis]
本名チャールズ・ラトウィッジ・ドッドソン。イギリスの数学者、牧師、小説家、詩人、写真家。1832年チェシャー州生まれ。ラグビー校からオックスフォード大学クライスト・チャーチ学寮に入学。卒業とともに同大学の数学講師。1862年の夏の日にリデル学寮長の次女アリスを主人公にして即興で語った話を後に手稿本『地下の国のアリス』にした。1865年に『不思議の国のアリス』、71年に『鏡の国のアリス』、76年に『スナーク狩り』を発表。1898年没
テニエル,ジョン[テニエル,ジョン][Tenniel,John]
1820年、ロンドン生まれ。画家の道をめざしたが、収入欲しさで始めた挿絵の仕事が好評を得、1850年から1901年まで雑誌「パンチ」でイラストレーターとして活動。編集者の紹介で『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』に挿絵を描き、1893年にはヴィクトリア女王よりナイト爵位を授与された。1914年没
安井泉[ヤスイイズミ]
1948年、東京生まれ。筑波大学人文社会科学研究科教授、外国語センター長。専門は英語学・言語文化。1994~95年ロンドン大学客員教授。日本ルイス・キャロル協会会長。おもな著書に『音声学』(市河賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ヴェネツィア
233
『鏡の国のアリス』は、『不思議の国のアリス』の続篇であり、ハンプティ・ダンプティの再登場など、明らかに前作を踏襲する点もあるが、また一方では対象的といっていい点も多々ある(訳者の安井泉も解説で指摘している)。一番大きな違いは、前者の「動」に対する後者の「静」である。これは、アリスの動き(行動も情動も)や、物語の起伏のみならず、 そもそもの発想そのもののダイナミズムにおいてである。つまり、前者では、次に何が飛び出すか予想もつかないのだが、後者ではむしろ整然とした秩序の中で物語が展開する。いわばクールなのだ。2014/10/10
aoringo
52
とりとめの無い夢の中の出来事。7歳半になったアリスは相手の気持ちを考え、優しさや気遣いをみせるようになり子供の成長を感じさせた。チェスの駒の動きにあわせて物語は進んでいき、全く無駄のない計算された話だと巻末の解説を読んで知り驚いた。挿絵は見慣れたテニエルのもので、やっぱりこれが一番好き。キャロルの子供への愛情が溢れていて心が和んだ。2018/04/05
るんるん
37
不思議な国のアリスは行き当たりばったりなおもしろさがありましたが、今回はチェスのマス目をすすむゲーム上にいることを頭の片隅においてアリスの行方を追いかけます。ときおり登場する詩にも仕掛けが隠されていて、だからか…と最後までよくわからなかったり。すごいな。けっこう頭使いました。2014/04/11
お涼
20
『不思議の国のアリス』よりも訳わからない感じだけど、言葉遊びは健在。チェスを知っていればもっと楽しめたのかな。【図書館本】2019/10/28
鏡也
14
この挿絵はよく本の栞として入ってたなぁ。ハンプティダンプティの詩は栞のお陰で覚えてしまうという。ガーディアン【8/1000】2016/08/04