内容説明
出っ歯の透きっ歯で極端な縮れ毛―。上杉家当主・景勝の前に現れた真田家の人質・弁丸(後の幸村)は大変な醜男であった。その上、美男の兄・源三郎(後の信之)では気に入らないだろうと言い放つ。景勝と跡目を争った義兄弟・三郎景虎が美男で名高かったからだ。手討ちになるかと思いきや、その明るい人柄で気難しい景勝に気に入られる。秀吉の出陣命令にも、時勢を読んだ的確な助言をし、武将としての厚い信頼も得る。上杉家中での存在感を増していく中、弁丸は父の名代として秀吉に謁見することになるが…。真田幸村を描いた「ぶさいく弁丸」他、自ら作った薬で家臣団との絆を強めた徳川家康、高貴な身分と偽った豊臣秀吉、北条早雲、武田信玄、上杉謙信、織田信長ら、天下に名を轟かせた七武将の知られざる“初陣”を鮮やかに描く!
著者等紹介
宮本昌孝[ミヤモトマサタカ]
1955年、静岡県浜松市生まれ。日大芸術学部卒業後、手塚プロ勤務を経て執筆活動に。95年『剣豪将軍義輝』で脚光を浴び、以後歴史・時代小説作家として活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ポチ
57
皆んなが知っている(と思う)超有名な戦国武将7人の武者始め。合戦だけでは無い色々な形の初陣があり楽しく読了。幸村と秀吉の掛け合いが面白い「ぶさいく弁丸」は特に楽しめた。2019/01/10
信兵衛
36
登場する顔ぶれを見ただけでも十分魅力的。 そのうえ、各篇とも各武将の個性、特徴がこれ以上ないくらい見事に発揮されていて、短篇であっても読み応え十分。 そして短篇という手法故か、小気味良さがあって、楽しいことしきり。2017/12/01
ren5000
35
戦国時代のスター選手たちの武者始めを描いた短編集。登場人物はスターばかりなので手垢のついたものが多いけどこういう描き方もあるのかと興味深く楽しく読ませて頂きました。真田幸村が醜男だったという「ぶさいく弁丸」が面白かった。2018/05/24
kanki
25
初陣ならぬ武者始め短編集。早雲、信玄、謙信など。面白かった。薬剤師っぽい家康がいい感じ2022/09/22
maito/まいと
25
「あ~ありそうありそう」と言ってしまう、名将達の若き時代の片鱗。名将達の始まりを描いた短編集は、宮本さんのアイデアが光る、他の作品とはひと味違う初陣物語。え史実の狭間で浮かんでいる俗説をうまーく盛り込んで、物語が大きく膨らんでいく。まさに史実と創作のコラボ!自分にシテは珍しく(笑)どれもオススメなのだが、強いて言えば信長の短編と家康の短編。信長編は本人と言うより、実母VS乳母の愛憎?劇、その構成と結末に唸ってしまった。家康編は薬マニア家康誕生の秘密(爆)。薬にこりまくる家康に大笑い(爆)2018/04/11