ほかならぬ人へ

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  • サイズ B6判/ページ数 295p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784396633288
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

愛の本質に挑む 純粋な恋愛小説。
愛するべき真の相手は、どこにいるのだろう?
「恋愛の本質」を克明に描きさらなる高みへ昇華した文芸作品。
第22回山本周五郎賞受賞第一作にして、★第142回直木賞受賞作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

のり

116
資産家の息女の2話。明生は名家の出来損ないと自虐的だが、庶民感覚もあり、普通である事を望むが、周りの目は違う。中々、個人として見てもらえない辛さがある。しかも女運が悪い。其処まで妻に寛容でなくても良いではないか。渚と東海さんの存在に救われていたのに…2話目の「みはる」には、全く感情移入出来ず。結婚を何だと思っているのか?相手の気持ちを汲むこと無く、自分の欲望に溺れるだけ。裕福な実家がある為に、失敗しても金には困らないから…理解に苦しむ。そのうち、誰にも相手にされない現実が待っていると思う。2017/05/09

kishikan

112
第22回山本周五郎賞、第142回直木賞受賞。というと何か賞漬けの感もあるが、好きな人は好き、恋愛小説はだめという人はがっかり、というように評価が分かれるかもしれない。この本自体はタイトルの「ほならぬ人へ」の他に「かけがいのない人へ」の2つの話がある。僕は「かけがえのない人へ」の方が好みだ。両者とも本当に愛するべき人(相手)、ということがテーマだと思うが、「かけがえのない」はどうも男の家が資産家という設定が気にいらない(ただし、家を飛び出てはいるのだが)ただの恋愛小説ではないことだけは、言えるだろう。2010/04/14

風眠

111
『ほかならぬ人へ』『かけがえのない人へ』それぞれ男性目線、女性目線で、結婚というわくの中にいる男女のあれこれを描いている中篇集。はたから見れば、それはありえないとか、なんで別れないのか不思議とか、いろいろ思うけれど、男女の間柄というのは、善し悪しでは推し量れない複雑なものが渦巻いていたりするから、厄介だ。運命を手に入れたと思ったとたん、次々と失っていく現実。「世の中になくてはならないのに、ないものがふたつある。ひとつは正義。そしてもうひとつはドラマだ。」という一文が、そのことを的確に表していると思う。2013/08/20

優希

106
ピンクの表紙がインパクトあります。大人の恋愛小説で、不倫がテーマ。心のもつれ合いが切なくてたまらなかったです。その人ならではの香りっていいですね。愛のある優しい作品でした。愛すべき真の相手、恋愛の本質を深く描いていると思います。きっと誰にでも「ほかならぬ人」はいるのでしょう。もう少し毒があっても面白かったかもしれません。「かけがえのない人」はちょっと猟奇的なところがありましたが大切な人を失う悲しみが伝わってきました。とてもいい作品だったので、他の作品も追いかけたいと思います。2016/03/29

らむれ

79
わざと共感を拒んでいる気がする。裕福な主人公やその相手のろくでなし達…僕の「ほかならぬ人」や私の「かけがえのない人」は私(僕)にしか理解できないのよ、って。自分に裏切られて、そんな自分に慣れていくのが人生。そういえば、私あの時裏切られたな、と気付く。なずなやみはるは理解の外にあるけど、彼女達も自分に裏切られた末にそうなってるのかも。もちろん私も、共感する日が来るかも。まだまだ自分は未知だわ。そもそも、私は実在してるのか。誰かの中で存在しているにすぎないのじゃないか。消化不良なので大きくなったらもう一度かな2015/06/15

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