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Love

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  • サイズ B6判/ページ数 329p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784396632533
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アナーキー靴下

67
「小説」について考える中で、著者の文章、伝える言葉の力強さも、また一つの重要な要素だろうと思い、内容は想像せぬまま手に取った。読み終えて、高橋源一郎が本作に寄せたメッセージ、「神話的」は、まったくその通りだと思った。東京の、目黒、品川、港区あたりと、見知った地区の話なのに、ここにあるのは今でなく、2005年頃の世界。著者はスケッチと言う。息遣いまで聞こえてきそうな鮮明さに、そこに自分はいないのだと、投影して入り込むことなどできないほど彼らはそこに生きているのだと、思い知らされる。これは後世に残すべき一冊。2023/06/13

tosca

14
古川氏2冊目。何だろう、良く分からなかったんだけど、文章のスピード感とテンポの良さで読めてしまう。連作短編のようでもあるが、独立した作品のようでもあり、でも登場人物は章を跨いで関連し合う。著者後記によると、470枚の全体で一つのショート・ストーリーなのだそうだ。物語の語り部である「視点」にも混乱させられる。あんまり楽しめた作品とは言えないけれど、古川氏に対して好意的な自分がいて、評価するのが難しい。古川さん謎だなぁ。もう少し読んでみるべきか考え中。2021/07/02

スミス市松

11
ヒデオ十八番の音楽の流れる言葉でもって、おれ/あたし/僕がきみに語りかけ、あるいはきみが、おれ/あたし/僕に語りかける。小説に最低限必要な時間的、空間的位置だけは把握して、強烈にディレイがかったメロディが目黒=五反田=品川の地をロックする。「巨大な短編」――トップスピードで収束・拡散を繰り返すこの文章/楽章の領域において、私たちの視線はみるみるうちに低くなり、いまや忘れてしまったもうひとつの世界が立ち上がってくる。いや、立ち上がる前に、実はもう走り出してる。物語たちが。猫たちが。つまり、あんたたちが。2013/03/05

ミツ

10
第19回三島賞受賞。 目黒、五反田、品川を舞台にして様々な語り口で語られる巨大な短編であり『ベルカ、吠えないのか?』への猫的アンサー。 東京という都市の裏側に潜む数多の猫たちと、それを探し求め公園や路地裏を遊歩する探猫者たちが織り成す群像劇が、ビートを刻む言葉に乗ってグイグイと疾駆する。 読者の五感に直接訴えかけてくるような文体に軽い酩酊感を覚えた。良作。2010/02/21

8
後半読んでる辺りで感想の骨子が決まったけど、最後の後記で作者が書いてたのでこの振り上げた拳はどうしたらいいのやら。都会に生きる人間と動物たちのいくつもの短編、すなわち「世界の縮図」の表現、よってLOVEって事かな。彼の文はいつも音楽のように歌っているけど本作品は自分には全く合わなかった。頭に入らない。音楽的に言うと、変拍子で休符を多用してるため上手くノレなくて装飾音符が蛇足で耳障りでかつリズムキープできてなくてドタバタしてる印象。その散文さが良い人には良いんだろうけど、私は理解できなかった。2013/07/31

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