内容説明
浅草に天から降った死骸、天神坂に出現する髑髏、日本橋の橋上で人間消失―早稲田の不良書生・阿閉君が持ち込む、珍聞奇聞から選りすぐった「夭都東京」の七事件!サテ、下宿館主人の“縁側探偵”こと間直瀬玄蕃は如何にしてその綾を解きほぐすのか?近代化を遂げんとする昭和初期の帝都を舞台に、猟奇の謎と仰天の推理が冴える“本格”探偵小説の傑作。
著者等紹介
物集高音[モズメタカネ]
1964年生。散文家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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gonta19
77
2007/3/17購入。 2016/8/2〜8/4 9年物の積読本。前作で感じた読みづらさのため、ずっと積んでおいた。9年こちらも年をとったので、すこしは印象変わるかな、と思ったが、やっぱりしんどかった。いわゆる安楽椅子探偵もので昭和初期の時代設定。設定自体は好きな方なんだが、相性だろうなぁ。2016/08/04
さとちん@脊椎オパ3/10参戦
8
シリーズ2作目なんですね…知らずに読んでしまいました(笑)。講談口調に慣れるまでイライラしちゃいました(汗)。オチも含め好きになれませんでした、ゴメンナサイ。でも緻密な時代考証や語り口調など好きな人はハマると思います。2012/05/18
OHta
5
奇怪で猟奇なエログロ事件を、長閑な縁側で愉快にほっこりと解き明かす安楽椅子探偵ならぬ縁側探偵帖第二幕。魅力あふれる主要キャラ以外にも準レギュラー的な新キャラが登場し、しかも負けず劣らずの曲者揃いときた。そうなると余計に拍車がかかる新喜劇的なやり取り。つまり愛さずにはいられないのです。事件の謎自体は1作目よりもシンプルになっており、トリック云々を重視する方にはウケないかも知れません。昭和初期の風俗、独特な筆致、エログロとほのぼのの対比。物語全体の雰囲気を楽しむと良い味を出し始める作品です。2016/07/16
紫
4
『冥都七事件』に続く、昭和レトロ探偵小説短編集シリーズ第二弾。270ページ程度のボリュームに7つの短編を収録。事件が起こった!玄翁先生に情報を伝えた!玄翁先生が推理した!というのが基本パターンでして、マンネリにならないように多少は変化をつけつつ、推理クイズに振り切った構成はみな同じ。人間ドラマの要素はおろか、ストーリーもあってないようなものであります。新ヒロイン?のノンコさんと美人記者の尚子女史が「ちょろ万」阿閉万をめぐって衝突したりもするんですが、いったい、どんな読者層の需要があったのかしらん。星3つ。2021/09/20
前田
2
文体の面白さが凄い。しかしそれは前作と同様であって、残念ながら自分は、文体以外の面白さを見つけることができなかった。これはトリックの出来を評価できない、というのが大きいのだと思う。前田はミステリを好んで読みはするが、トリックに面白さの焦点を殆ど当てない。だから連作短編ミステリの同シリーズを幾つも読むと飽きてしまうのだろう。2008/12/31