内容説明
“腐敗はアジアン・ビジネスの扉を開く鍵だ”外国投資ブームに沸くハノイで、邦銀事務所開設に悪戦苦闘する真理戸潤は、日系商社に請われ巨大発電プロジェクトの入札に参加する。一方、香港の地場証券会社「ペレグリン(隼)」は、アジア・ブームの追い風を受け、王座へと駆け上がりつつあった。賄賂が横行する共産主義体制下、各国企業連合が闘う熾烈な金融戦争の行方は。
著者等紹介
黒木亮[クロキリョウ]
1957年北海道生まれ。カイロ・アメリカン大学修士。銀行、証券会社、総合商社英国現法プロジェクト金融部長を経て作家。2000年に国際協調融資を描いた『トップ・レフト』(祥伝社文庫)でデビュー。国際金融の舞台で活躍した経験を生かした新しい小説の書き手として注目を集めている。ロンドン在住
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感想・レビュー
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N田
6
経済小説は難しかった。船井幸雄によれば、米国国債の償還期間を単振動の式に代入すると、コンドラチェフの波になるという(胡散臭い)。借金の付け回しゲームは、税金で回ってるということか。 2015/10/07
Hideki Ando
1
通貨危機前のベトナムの経済の息吹が感じられる。上巻は国際金融というよりは、ベトナムについての話。2012/03/04
K
1
フィクションとノンフィクションが並行して進む。ただ上巻は背景知識となる部分が多く、小説というよりも通貨危機前後のアジアの記録に近い。2011/02/22
Walhalla
0
個人的に、最近ベトナムの人と仕事をする機会があったのですが、当時のベトナムの金融事情や人柄、戦争の歴史に関して、いろんな意味で興味を持つことができました。下巻に続く。2015/09/08
Tao Yamamoto
0
長銀の新興アジアにおけるシ・ローンや裏金が蠢くリアリティのある小説