内容説明
紀元前450年、若きシッダールタ(後の仏陀)は魔界ナ・オムの中心に聳える巨木・雪冠樹を目指していた。不老不死の鍵を握る“涅槃の果実”が十年に一度実を結ぶ大樹である。だが、ナ・オムには異形の幻獣たちが跋扈していた…。著者の処女長編にして、空前のスケールで描く超伝奇大河小説の金寺塔。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
bookkeeper
50
★★★★★ 再読。紀元前のインド。高さ7km、幹の太さ1.5kmという桁違いのスケールの"雪冠樹"と、その周囲に広がる狂った生態系の魔境。様々な目的でここを目指すパーティの中に、若き日のシッダールタがいた…。 易筋行や弓の達人、司祭僧、商人、登攀のプロ、女たらし、奴隷…。バラエティ豊かな面々が怪物達やライバルのパーティと死闘を繰り広げる冒険活劇。油断すればたちまち悲惨な死を迎えます。あぁ怖い、なんと血が踊る!こんなRPGはやりたくないDeath。 「おれはな、その天地の理の秘密を手に入れてみたいのよ」2021/06/23
まりお
48
シッダールタとその仲間達の波乱に満ちた物語、ブッダ版西遊記を読んでいるみたいだった。頼れる仲間はどんどん、だけど。2017/06/21
ごま
29
若き日の仏陀(シッダールタ)が不老不死を求めて魔界ナ・オムへと涅槃の果実を取りに行こうとする話。「涅槃の王」シリーズが4作出ていることに気づいていず、読み終わって感想を書くまでシリーズ中の違う本を登録していたのはご愛嬌(^_^;) 登場人物が多くて、誰がだれだか・・と思うのも最初のうちだけ。どんどん人は減るので読みやすくなります(笑)。シッダールタがナマグサで読んでいて面白かった。続きも読みます。2013/06/18
いっくん
26
沙門のシッダールタがナ・オムの中心に生えている雪冠樹(ヒウナージャン)にある涅槃の果実(ニルヴアーナ)を目指して旅をする。ナ・オムとは“間違って生まれたもの、存在してはいけないもの”。グロテスクな怪物が次々に襲いかかってきて…。ふと『幻獣変化』の続きがあった事を思い出して再読。独特の世界観が面白かった。格闘シーンは流石の躍動感、スピード感。大人ほどの肉の棒、肉色のナメクジ“森人”ヨーブがキモかった!易筋行の達人シンがなかなかの男前でナイスガイ!引続き登場との事で楽しみです(^_^*)2017/10/07
klu
9
シッダールタ主役とはいえかなりぶっ飛んだ内容です。怪奇小説??仲間はほとんど死んでしまうし、次巻はどうしようか?沙門空海シリーズのような本だと思ったのですが2018/12/05