祥伝社黄金文庫
完訳 紫禁城の黄昏〈上〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 474p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784396314682
  • NDC分類 288.492
  • Cコード C0122

内容説明

本書は、満洲人でも日本人でもないスコットランド人のジョンストンが、皇帝溥儀の家庭教師という客観的な第三者的立場で、外部者には見えない当時の満洲王朝の内情を直に見聞した記録であり、貴重な証言である。

目次

一八九八年の改革運動
改革運動の失敗
反動と義和団事件一八九八年~一九〇一年
光緒帝の晩年、一九〇一年~一九〇八年
西太后慈禧
革命、一九一一年
満洲帝室の「優待条件」
宣統帝と洪憲皇帝
張勲と一九一七年の復辟
松寿老人の自叙伝(シナ語からの訳出)
紫禁城 一九一九年~一九二四年
帝師たち
黄昏の満州朝廷
内務府

著者等紹介

ジョンストン,R.F.[ジョンストン,R.F.]
1874年、スコットランドのエディンバラに生まれる。オックスフォード大学卒。1898年、香港英国領事館に着任。1919年、皇帝溥儀の家庭教師に就任。宮廷内で唯一の外国人として、その内側を見聞する。1930年、英国に帰国し、ロンドン大学教授に。1938年、死去

渡部昇一[ワタナベショウイチ]
1930年、山形県生まれ。上智大学名誉教授。英語学、言語学専攻。上智大学大学院博士課程修了後、独・ミュンスター大、英・オックスフォード大へ留学。専門の研究活動に留まらず、歴史批評の分野でも多数の著作がある

中山理[ナカヤマオサム]
1952年、三重県生まれ。上智大学大学院英米文学専攻博士後期課程修了。エディンバラ大学留学。現在、麗澤大学学長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ころこ

34
岩波文庫で意図的に訳出されなかった第1章から第10章までは本書の4分の3に当たります。当該箇所が「主観的」だとのことですが、実際には「主観的」というよりは、著者が歴史学者ではないのに不用意に歴史を語り、体験的な一次情報ではないという理由によるものだということが推測できます。とはいえ、本書が政治的な文脈による余計な配慮によって言及し辛くなったのは間違いないでしょう。いっけん無駄と思える記述を訳出して全体をみせるという本書の存在意義が問われるところではないでしょうか。2021/08/20

Kurara

28
★★★☆☆ 満州事変、西太后に興味があり手に取りました。この本で読み解くことは出来ませんでしたが清朝が滅びることの過程は知ることが出来た(難しいけど) まだ溥儀があまり登場しないのでこのまま下巻も読んでみたいと思います。【55】2017/08/16

KAZOO

13
完訳ということで、岩波文庫よりも長くなって2分冊です。かなり細かく描写がなされて当時の清国の様子がよくわかります。やはり内部から崩壊していたという感じがよく出ています。確かにこのようなことを読むとなぜ東京裁判の時に証拠とされなかったかがわかる気がします。2014/02/11

ネコ虎

8
 清朝滅亡前後のことだが、詳しすぎて頭に入ってこない。政治家たちが入り乱れるが、どんな理屈と力関係でそうなるのか理解に苦しむ。ただ字面を追ったのみ。最終章内務府のところだけが興味深かった。内務府とは昔の日本の宮内省と内務省、大蔵省を合わせたようなものか。会社なら総務と経理部か。この内務府の腐敗のすさまじさと皇族の無責任さがすごい。皇帝に仕えるのが内務府の存在理由ではなく、内務府の存続のために皇帝がある。内務府大臣の「不正行為がないと組織全体が崩壊する」という言葉はすごい。今の中国共産党に通ずるDNAだ。 2016/04/05

ZEPPELIN

5
西太后や袁世凱に関する記述が大半で、溥儀の影が薄い。おかげでイマイチ分からなかった清末期から満州への流れがある程度は理解できたけれど、西太后・袁世凱・内務府に対する批判がちょっとどころではなく長い。そして、なぜか岩波文庫版では省略されたという1〜10章。ここを抜かしたら意味不明な作品になりそうなものだけれど、ここに書かれているのは清国と中華民国の混迷や腐敗である。日本の出版社なのに、中国に不都合だから省略したのか?怪しい印象が残るし、渡部さんのまえがきにも執念が感じられる2014/11/09

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