内容説明
夕暮れの“魔界都市”に流れる物哀しいギターの調べと共に、その女はやって来た。妖術射撃を駆使する二丁拳銃の女・ベルである。目的は夫と子供を惨殺した暴力組織「クロムマイト商会」の殲滅!だが敵は、同じく妖術射撃を操る名手クロケットを雇い、迎撃態勢を整えていた。しかも、ベルの行方探索を依頼されたのは美貌の人捜し屋秋せつら。果たしてベルの悲願は叶うのか?そしてせつらが取った行動は…(「ギターを持った渡り蝶」より)。哀切と叙情に満ちた人気シリーズ最新作。
著者等紹介
菊地秀行[キクチヒデユキ]
1949年、千葉県生まれ。青山学院大学卒。雑誌記者の傍ら同人誌に作品を発表し、82年『魔界都市“新宿”』でデビュー。85年『魔界行(全三巻)』が大ヒットし、以後エンターテインメント小説界を牽引し続けている
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感想・レビュー
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オルガ
3
図書館でレンタル。人形娘が出てくる魔界都市ものは久しぶりに読んだ気がする。それにしても暗い話が多いなあ。いつもは一つぐらい笑える話があったように思ったんだけど。お気に入りはサックスを吹く男の話。2013/12/09
木花咲耶
1
かなり前に買ってて積読してらしく、奥付を見ると6年ほど前。最近の菊地先生の本は割と情緒に寄ってて、似たような話が多いので雰囲気が違う気がしたが、そのせいかどうか。 しかし、この本は4編の短編集だけど、なんかワンパターンだった。基本的に魔界都市ブルースは悲劇的な復讐劇か愛憎劇が多いけど、今回は惨殺された本人もしくは縁者の復讐話だった。別にそれはいいんだけどせつらの口調がどうにも違和感。もっと無気力な丁寧さがあったような気がする。そこらへんがちょっと物足りないというか好きになれなかった。2012/12/16