Non novel
黒祠の島

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  • サイズ 新書判/ページ数 346p/高さ 11X18cm
  • 商品コード 9784396207083
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0293

出版社内容情報

『屍鬼』から2年! 新世紀の幕開けを飾る注目作!
孤島、因習、連続殺人
1949年『獄門島』、1987年『十角館の殺人』、そして…

その島は風車と風鈴に溢れ、余所者(よそもの)には誰も本当のことを話さなかった──作家葛木志保(かつらぎしほ)が自宅の鍵を預け失踪した。パートナーの式部剛(しきぶたける)は、過去を切り捨てたような彼女の履歴を辿り、「夜叉島」という名前に行き着いた。だが、島は明治以来の国家神道から外れた「黒祠の島」だった…。そして、嵐の夜、神社の樹に逆さ磔(はりつけ)にされた全裸女性死体が発見されていた…。島民の白い眼と非協力の下、浮上する因習に満ちた孤島連続殺人の真相とは? 実力派が満を持して放つ初の本格推理!

黒祠とは──
明治政府の採った祭政一致政策によって、神社は信仰の対象ではなく、国民が義務として崇敬する対象とされた。神社は国家の宗祀として社格制度のもとに統合され、国家の施設とされた。全国の神社は位階制によって整然と編成され、行なわれる祭祠も国家の定めた様式に統一された。この統合に与しないものは迷信として弾圧されなければならなかった。国家神道の中にあって、黒祠とは、統合されなかった神社を言う。それは迷信の産物であり、言わば邪教である。

(祥伝社販売課伊東オススメの一冊)

内容説明

その島は風車と風鈴に溢れ、余所者には誰も本当のことを話さなかった―作家葛木志保が自宅の鍵を預け失踪した。パートナーの式部剛は、過去を切り捨てたような彼女の履歴を辿り、「夜叉島」という名前に行き着いた。だが、島は明治以来の国家神道から外れた「黒祠の島」だった…。そして、嵐の夜、神社の樹に逆さ磔にされた全裸女性死体が発見されていた…。島民の白い眼と非協力の下、浮上する因習に満ちた孤島連続殺人の真相とは?実力派が満を持して放つ初の本格推理。

著者等紹介

小野不由美[オノフユミ]
大谷大学文学部卒業。在学中は京都大学推理小説研究会に在籍。講談社X文庫ティーンズハートで作家デビュー。『東京異聞』が第5回日本ファンタジーノベル大賞の最終候補作となる。作品に『十二国記』シリーズ(講談社)、『東京異聞』『屍鬼』(新潮社)など。大分県生まれ
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゆみねこ

68
九州の辺境にある夜叉島は、国家神道から外れた「黒祠の島」。パートナー・葛木志保の行方を追い、島に渡った探偵・式部剛が目にしたものは。因習にとらわれた島の人々、本家や分家。島を支配している分限者。横溝正史を読んでいるような世界観に浸れました。2018/03/05

takaC

60
実に吸引力の強い物語なのだけど何でしょうねこの爽快とは対極の読後感は。表紙に「長編本格推理小説」と書かれているし大きな括りでは確かにそうなんだろうけど推理は重要なファクターではないよな。好き勝手に書きましたが『屍鬼』的雰囲気が好きな人には面白さ請け合いです。2012/05/14

sin

59
裁きとは何だろう?もちろん警察が逮捕することが裁きでは無くその先に司法がある。それは国家と云う組織の元に行われることで民衆が行えばリンチと化す…地方の島の閑散とした漁村に消えた知人を追って訪れた男は、その痕跡までもが拭い去るように消されたことを知り、やがて無惨な有り様の死体と成り果て既に葬り去られたと知る!?神の裁き?有り得ない解釈だがそれは島民の共通した認識と知らされる。真の犯人とその動機を追い求める彼がたどり着いた結末は…真の神の裁きと、喪ったはずの知人の行方だった。2022/05/14

ネムコ

41
『ゴーストハント』で火が着いて「もっと怖い小野不由美が読みたい!」と選んだ本書。邪教に淫する絶海の孤島でホラーな出来事がこれでもかっ!と畳み掛けてくるストーリーを期待していたら、中盤くらいから「なんか違う」感が。過去はともかく人は一人しか死なないし、探偵に協力した住人が惨たらしい目に合うこともなく。表紙をよくよく見てみたら『長編本格推理』と書いてある…💧(続く)2020/07/11

J7(読メ低浮上中)

36
辺境の島に渡り消息を絶った女性、呪術的な因習と権力を持つ旧家、不自然なまでに余所者がいた痕跡を認めない島民たち・・静かに不穏に醸し出される忌まわしい空気に、物語序盤から引き込まれていく。本書は島を舞台にした、いわゆる"孤島ものミステリ"だが、ミステリであっても『残穢』『鬼談百景』で体験した小野不由美さんの"闇の感性"は遺憾なく発揮されている。例えば、主人公がとある廃屋を探索中に、はるか昔に起きたらしい惨劇を想像するシーンがあるのだが、それが本当に怖い。漆黒の雰囲気に呑まれそうになる傑作ダークミステリ(→)2016/08/24

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