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祥伝社新書
宮大工の人育て―木も人も「癖」があるから面白い

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  • サイズ 新書判/ページ数 227p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784396111045
  • NDC分類 521.81
  • Cコード C0295

内容説明

著者は法隆寺の鬼と呼ばれた、故西岡常一棟梁の下で、薬師寺金堂、西塔の建立に携わりながら、宮大工の修業を積む。西岡棟梁の身の回りの世話を約六年間続け、社寺建築の技法、棟梁としての仕事の差配、人の育て方など、多くのことを貪欲に吸収する。そこで学んだ人を育てる要諦は「教えない」ことである。手取り足取り教えるのではなく、「なぜ、こうなるのだろう?」と、弟子がわかりたいとウズウズしてくるのを「待つ」ことが大事なのだ。覚えの早い子と遅い子がいるように、人にも木と同じく「癖」がある。その癖を生かしながら人を育て、使うことが名棟梁の条件であり、その知恵は、現代の日本人にも多くのことを教えてくれる。

目次

1章 大工の徒弟修業
2章 西岡常一棟梁の教え
3章 奥深き「社寺建築」の世界
4章 木の癖、人の癖を読む
5章 棟梁の仕事、棟梁の器

著者等紹介

菊池恭二[キクチキョウジ]
1952年、岩手県遠野市生まれ。中学卒業後、遠野で住宅大工の修行を始める。21歳から約6年間、法隆寺大工、故西岡常一棟梁の元で薬師寺金堂、西塔の建立に携わりながら、寺社建築を学ぶ。90年、38歳で寺社専門の工務店、社寺工舎を遠野に創業する。全国各地の寺社建築の建立や文化財建造物の保存修理を指揮しながら、弟子の育成にも力を注ぐ。1997年から4年半かけて行なわれた、東京大田区の池上本門寺五重塔(重要文化財)の全解体保存修理工事も、大工棟梁として指揮をとった(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

13
学んだ人を育てる要諦は「教えない」こと(表紙折り返し)。教えないのは、学ぶ人に気付かせるためである。教え込み、教え過ぎには甘えをつくるのも確かな事実。研ぎは嘘をつきません(34頁)。人生の深さが問われる(121頁)。東北人は、粘っこさ(176頁)。大きな失敗を怒ると、人は潰れる(197頁)。いじめ自殺も人が潰れた証拠であろう。2013/07/28

さきん

6
宮大工の人育ては、癖を見たり、気長に成長を待つことから、木を扱う大工の仕事そのままに重なってきておもしろい。また、大工仕事においてもさまざまな役割をさまざまな大工が演じていることがわかる。2015/07/09

ウメ

5
宮大工という職人の世界の仕事論。著者のこれまでの実績に基づく自負や自信が端々にみえる。ここまでのめり込める仕事を見付けられた人間はある意味幸せ。教えてもらうのではなく盗みとって学ぶ姿勢は見習いたい。2017/07/14

nnnともろー

4
木も人間も適材適所。伸びる人間と辞めていく人間の違い。厳しい世界。2021/12/01

あーさー

2
住宅大工から始まり、のちに宮大工へと転身した著者が、自らの進んできた道を振り返りながら宮大工の世界や「人育て」について綴った作品。著者曰く“宮大工の神様みたいな人”という西岡常一さんの存在を初めて知ったり、宮大工の仕事(の凄さ)を分かりやすく書かれていたりと、非常に面白かったです。2024/03/25

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