内容説明
彼はなぜ新興宗教を興したのか。何を壊し、何を創りたかったのか。戦略的な意味があった「ヨハネの福音書」。イエスの使徒は、なぜ十二人だったのか。イエスにとってユダは裏切り者だったのか『聖書』はミステリーである。その隠された謎に挑む。
目次
1章 キリスト教は新興宗教であった―イエスは、何を壊し、何を創りたかったのか
2章 「イスラエルの民」とは何なのか―『旧約聖書』と『新約聖書』に横たわるもの
3章 イエスはなぜ新たな宗教を興したのか―すべてが敵対的な宗派だったわけではない
4章 四つの福音書から伝えられる真実とは何か―『ヨハネの福音書』には、戦略的な意味があった
5章 イエスの使徒はなぜ十二人なのか―ユダヤは十二部族で成り立っていた
6章 「最後の晩餐」に隠された愛弟子の順位―死なない弟子、そしてイエスの双子
7章 イエスにとってユダは「裏切り者」だったのか―過激派集団が彼に求めていたものとは
8章 イエスとは何者だったのか―神なのか、悪魔なのか、側近たちにも分からなかった
9章 十字架上の死の意味とは何か―自ら求め、そこが出発点だったのではないか
著者等紹介
三田誠広[ミタマサヒロ]
1948年、大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。1977年『僕って何』で芥川賞受賞。日本文芸家協会常務理事
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感想・レビュー
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ネコ虎
8
キリスト教に関していつまで経っても素人状態。勉強しないと欧州の歴史や文化・芸術などの理解が深まらないのだが、怠けがいつまでも続いている。。この本はキリスト教に関する素人向け入門書なのだが、かなり分かりやすくまた幅広く知識が深まる。三田氏の独自見解も面白い。関連知識を厚くしてからキリスト教の本丸を攻めて行けば理解も進むかもしれない。いい本だった。100円でゲットしたブックオフに感謝。2018/03/31
よし
7
今まで漠然としていた、「キリスト」にまつわる様々な話はとても興味深かった。新書版なのに、分かり易くダイジェストにまとめてあった。・・もっと早く読みたかった一冊。・・・「最後の晩餐・ユダの裏切り、聖杯伝説・パンと赤ぶどう酒の象徴化、十字架上の死と復活、受胎告知・・・」等々のトレビア満載。知的興奮が味わえた。今まで納得がいかなかった「汝の敵を愛せよ・・」「・・イエスが説いたのは博愛や無抵抗主義ではない。むしろ精神的な暴力とでもいうべき、ラディカルな発想の転換を求めたのだ。・・」深い意味が込められていた。2015/12/19
カバラン
1
読後、新約聖書が読みたくなる。形骸化したキリスト教ではなく、ダスカロスのエソテリック・ティーチング等に本気で取り組む気にもさせてくれた。キリストの真の教えはここにある。2017/02/19
双六
1
21世紀からは水瓶座の時代が始まるとされている2016/01/30
北条ひかり
1
1時間56分(北九州市立点字図書館に感謝) 昨日は夜遅くまで働いたので、お休みの今日、いきなり難しい本は避けたかったこともあり、ゆるーい本にしてみました。タイトルからしてゆるーいが、内容もゆるーい(笑)。でも、そのおかげでリラックスできました。突っ込みどころ満載ですが、学術書ではないので、いいんじゃないでしょうか。2015/03/21