内容説明
都市の水辺は、人々の生活の風景としてどう存在しているか、また、その土地ならではの顔としてどうデザインしていくべきか―都市の景観づくりにおいて、構想・計画から施工監理に至るトータルにコーディネイトされたデザイン体制はそう容易に実現できなかった。この本は、近年、全国のまちづくりでトータルな景観デザインを実践している立場から、都市計画、土木設計、プロダクトデザイン、文化財修復などの分野で活躍中の専門家がコラボレーションしてやり遂げた水辺のプロジェクト奮闘記である。来るべき「景観法」時代のまちづくりを先取りした実践録。
目次
第1章 人々が都市の水辺に求めたもの(都市の水辺とは;高水敷公園、環境護岸からトータルデザインへ;デザイン・コラボレーションのはしり津和野川の景観設計)
第2章 都市の水辺デザインを実践する(門司港レトロ事業;浦安・境川;桑名・住吉入江 ほか)
第3章 都市の水辺デザインを担う専門家(土木におけるコラボレーションの実際―土木設計家として;強い個性のぶつかり合いそれこそがコラボレーション―プロダクトデザイナーとして;「べからず」八カ条―都市計画家として ほか)
補章 河川環境整備の歴史
著者等紹介
篠原修[シノハラオサム]
1945年栃木県生まれ。1968年東京大学工学部土木工学科卒業。1971年東京大学大学院工学系研究科修士課程修了(土木工学専攻)。アーバンインダストリー。1975年東京大学助手(農学部林学科)。1980年建設省土木研究所道路部主任研究員。1986年東京大学助教授(農学部林学科)。1989年東京大学助教授(工学部土木工学科)。1991年東京大学教授(工学部土木工学科)。東京大学教授(工学系研究科社会基盤学専攻)。受賞、土木学会デザイン賞最優秀賞/中央線東京駅付近高架橋、陣ヶ下高架橋。優秀賞/阿嘉大橋、朧大橋
岡田一天[オカダカズタカ]
1953年富山県生まれ。1978年東京工業大学工学部社会工学科卒業。1980年東京工業大学大学院修士課程修了(社会工学専攻)。アイ・エヌ・エー新土木研究所。現在、プランニングネットワーク代表。受賞、土木学会デザイン賞優秀賞/中筋川ダム、津和野川河川景観整備
小野寺康[オノデラヤスシ]
1962年北海道生まれ。1985年東京工業大学工学部社会工学科卒業。1987年東京工業大学大学院修士課程修了(社会工学専攻)。アプル総合計画事務所。1993年小野寺康都市設計事務所。現在、小野寺康都市設計事務所代表。受賞、土木学会デザイン賞最優秀賞/門司港レトロ地区環境整備。優秀賞/与野本町駅西口都市広場、浦安・境川、桑名・住吉入江
佐々木政雄[ササキマサオ]
1945年東京都生まれ。1968年早稲田大学理工学部建築学科卒業。1971年早稲田大学大学院理工学研究科修士課程修了(都市計画専攻)。1974年早稲田大学大学院理工学研究科博士課程修了(都市計画専攻)。アトリエ74建築都市計画研究所設立。現在、アトリエ74建築都市計画研究所代表取締役。受賞、都市計画学会デザイン賞(杜の都・仙台)大学院・吉阪研究室として受賞。兵庫県さわやかまちづくり賞まちなみ部門(姫路市)。静岡県都市景観賞優秀賞(掛川市中心市街地)。土木学会デザイン賞優秀賞/桑名・住吉入江
南雲勝志[ナグモカツシ]
1956年新潟県生まれ。1979年東京造形大学造形学部室内建築科卒業。永原浄デザイン研究所。1987年ナグモデザイン事務所設立。現在、ナグモデザイン事務所代表。拓殖大学非常勤講師、ICSカレッジオブアーツ講師。受賞、通産省グッドデザイン景観賞(門司港)。通産省グッドデザイン家具インテリア部門金賞。日本デザイン振興会建築施設部門グッドデザイン賞(日向市塩見橋)。土木学会デザイン賞最優秀賞/門司港レトロ地区環境整備。優秀賞/浦安・境川、桑名・住吉入江
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