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未完成―住宅顕信句集

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  • サイズ 文庫判/ページ数 255p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784394700531
  • NDC分類 911.368
  • Cコード C0192

出版社内容情報

種田山頭火、尾崎放哉に続く現代の自由律俳人、住宅顕信。その句集を、ビジュアルなデザインで文庫化。

内容説明

23歳で白血病に倒れ、妻にも去られ、病室で幼子を育てながらわずか25歳で世を去ったひとりの俳人。生と死、孤独と絶望、その中で懸命に生き、そこからこぼれ落ちる魂の叫び。その人の名は「スミタク・ケンシン」カメラマンをめざす若者と顕信の俳句との新しいコラボレーション。

目次

試作帳
試作帳その後

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

浅葱@

28
静かな淋しさ。その奥にある生。全部を受け止められなかったけれど、削ぎ落とした言葉からの情景が見えて読み手の私も静かに冷えていく感覚。2016/05/22

ちぇけら

19
パピコをひとりで食べる。なんて。雨のようにうまれてきたことばは涙だった。淋しさはこんなにも形にならない感情なのかとひとりで泣きくずれた。やってきては、さっていく白い病室で紡がれたこころに、すっかり撃たれてしまった。冷たい体重計、ゆっくりと落ちる点滴、手術室。生きればいきるほど完成からとおざかっていく、うしなっていく入院生活。それでも、ことばはいつまでも残りつづける。圧倒的な完成として。だから糞みたいなフォントで見せないでくれ。写真なんていらないよ。明けては暮れる夜に発せられた叫びだけで、完成なのだから。2019/08/15

安南

9
「気の抜けたサイダーが僕の人生」夭折の俳人、住宅顕信。22歳で得度、浄土真宗の僧侶に。その年に結婚、まもなく、骨髄性白血病を発症。妻とは離縁させられ、残された乳飲み子を病室で育てる。壮絶な闘病生活のなかでつくられた自由律俳句。「点滴と白い月とがぶらさがっている夜」「念仏の口が愚痴ゆうていた」「抱きあげてやれない子の高さに坐る」「若さとはこんなに淋しい春なのか」25歳、死去。彼の人生を切り離しては彼の作品は味わえない。2013/02/24

午睡

5
住宅顕信と書いて、すみたく・けんしんと読む。自治体の清掃局で働き、のちに得度して句作を初め、病に倒れた。25歳で早逝するまで作った句は五百にも満たないのでないか。「退職願出してきた枕元に朝が来ていた」「念仏の口が愚痴ゆうていた」「洗面器の中のゆがんだ顔すくいあげる」など、はりつめたフラジャイルの破片が突き刺さるようである。 尾崎放哉や種田山頭火らが属していた自由律俳句雑誌に拠って句作を重ねたらしいが、習作の時期を一気に超えてすべて晩年の句となった。惜しいのは凡庸な写真。俳句だけをなぜ屹立させなかったのか。2020/07/31

ヂャニスちゃん

3
フォントや写真が最悪だ。デザインの重要性を思い知らされる。全体に安っぽく、軽率な印象を持った。それによって本質的な詩への感想を持てずにいる気がするけれど、彼の病床を直感で感じるような気持ちになる。”流れにさからうまい歩けるだけを歩く” -住宅顕信2016/09/20

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