内容説明
旅のあけくれ…。うつりゆく心の影をありのままに記した、山頭火の魂の遍歴。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ikedama99
6
寝床で読む本。1回で1日分と思っても、なかなかそれでは終わらなかった。山頭火の悲鳴が聞こえてくるような文章もあれば、諦観の趣もある。だから続きを読みたくなる。続きを読もう。2020/02/06
Sakie
3
行乞が嫌になり庵に定住したいと願う。友人の手配で借家に定住して、これこそ人の生きかたと山頭火は大いに満足する。金銭は友人に頼らざるを得ない生活である。彼女とは元妻であろうし、無茶苦茶な人である。またそのような生き方の山頭火を是とし会う度食べさせ呑ませる知人の思いを想像する。与えることの哲学がそこにあるのか。 そしてまた旅に出る。先々で親しい知人をおとなうことを楽しみにし、別れる寂しさを痛感する。生活の形式に関わらず、ものを持たないことが季節や自然を余さず感じとる要素であるようだ。句の空気感は変わらず。2011/11/21