出版社内容情報
田を耕さず、肥料をやらず、農薬などまったく使わず、草もとらず……それでいて豊かな収穫をもたらす、驚異の〈自然農法〉――その思想と実践を易しく説いたロングセラー。
内容説明
耕さず、草もとらず、肥料もやらず、しかも多収穫!“現代の老子”が語る無の哲学と実践。
目次
第1章 自然とは何か―無こそすべてだ
第2章 誰にもやれる楽しい農法―世界が注目する日本の自然農法
第3章 汚染時代への回答―この道しかない
第4章 緑の哲学―科学文明への挑戦
第5章 病める現代人の食―自然食の原点
追章 “わら一本”アメリカの旅―アメリカの自然と農業
著者等紹介
福岡正信[フクオカマサノブ]
1913年、愛媛県伊予市大平生まれ。1933年、岐阜高農農学部卒。1934年、横浜税関植物検査課勤務。1937年、一時帰農。1939年、高知県農業試験場勤務を経て、1947年、帰農。以来、自然農法一筋に生きる。1988年インドのタゴール国際大学学長のラジブ・ガンジー元首相から最高名誉学位を授与。同年アジアのノーベル賞と称されるフィリピンのマグサイサイ賞「市民による公共奉仕」部門賞受賞
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感想・レビュー
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Carlos
24
やっぱり足るを知るですね。2020/06/28
Sakie
21
自然農法の祖、バイブルと目される本である。著者が編み出した肥料も農薬も耕うん機も使わない「何もしない農法」は人間の究極の知恵、ではなく、人間は絶対に自然には勝てないことの証と言いきる。それはもはや宗教じみて、だからこそ強い。著者の農法は欧米の有機農業にも影響を与えたと言われるが、それが単に方法論で留まるなら、自分の自然農法とは非なるものと切り捨てる。『仏教でいう大乗的な自然農法と、便宜的な小乗的な自然農法』との比喩は言い得て妙だ。わかりやすい。『人間は自然を壊せても、自然をつくることはできない』。2023/04/08
ロビン
21
元農水大臣の山田正彦さんの本に登場したので一読。長年にわたり自家で工夫した自然農法を実践してきた著者による不耕起、無肥料、無農薬、無除草にもかかわらず豊作を可能にする農業法の解説から、自然食、果ては独自の「無」の哲学、科学や公害など現代文明の批判にまで至る奥深い一冊。アメリカや国連でも話をしてきたという逸話が出てくるが、山田さんの本ではイタリアでも福岡式農業が盛んに行われていると紹介されていた。福岡さんの思想の根底には東洋の哲学や人生観があり、農業と人間の生きる「道」が一体になっていると感じた。凄い本。2019/11/15
まさむ♪ね
16
『奇跡のリンゴ』木村秋則さんが読んだ本。自然農法に関する技術的なことももちろん書かれているが、予想に反して熱い哲学書。自然農法とは、不起耕、無肥料、無農薬、無除草で作物を育てる農法。そう、基本的に人間は何もしなくていいのだ。なにもしなくていい、これがなかなかむつかしい。人間は常に何かしなくてはいられない生き物なのだ。つい余計なことをやってしまう。著者もこの自然農法を確立するまで40年かかったと言う。自然の力を最大限に利用する自然農法、やってみたいな。2014/04/19
baboocon
16
「自然に還る」に続き福岡正信翁の著書は2冊目。自分は農学には素人だけど、害虫と農薬とのいたちごっこはウイルスと抗生物質のいたちごっこと同じようにキリがないことで、それを根絶するには根本の原因を断ち切らなければいけないのではないかと薄々考えていた。彼の提唱した自然農法は一見突飛なようだけど、結局その根本である自然のバランスが調和した状態にして、作物の本来の強さを引き出したもの。人間の究極の生き方って、これでいいんじゃないかという気がしてきた。と同時に、それはあまりにも人類に受け入れ難いことなのだとも。2011/04/15