目次
第1講 人間と文化の大事な関係(「関係」は変化しやすい;「編集」とは何か ほか)
第2講 物語のしくみ・宗教のしくみ(物語と言語;語り部の記憶 ほか)
第3講 キリスト教の神の謎(生と死の問題;イエス・キリストとは何か…謎・その1 ほか)
第4講 日本について考えてみよう(日本らしさとは何か―「コード」と「モード」;日本の神話に戻ってみる ほか)
第5講 ヨーロッパと日本をつなげる(「異教の知」―ルネサンスの幕開け;神秘のヘルメス思想 ほか)
著者等紹介
松岡正剛[マツオカセイゴウ]
1944年、京都生まれ。早稲田大学出身。東京大学客員教授、帝塚山学院大学教授をへて、編集工学研究所所長、ISIS編集学校校長。情報文化と情報技術をつなぐ研究開発に多数携わる。日本文化研究の第一人者でもある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ももたろう
67
松岡正剛さんは、一体何万冊の本を読んでいらっしゃるのだろうか。思わず考え込んでしまうほどの人間文化と歴史への圧倒的な教養と知識。本書は人間が二足歩行で歩き始めたところから、古代ギリシアや古代中国のこと、キリスト教の起源、日本の起源とその後の歩み、近世くらいまでの世界と日本の歴史と文化の流れを大まかにまとめていた。ただただ圧倒。自分が全然歴史を学べていないことを改めて痛感した。私はここまで博識には到底なれないので、自分の必然の範囲内で歴史を学んで行きたいと思った。同著者の『空海の夢』も是非読みたい。2017/02/09
夜間飛行
56
情報の起源を宇宙に求めることは、荒唐無稽のようで実は一番理にかなっているのではないだろうか。本書は生命から文化に至る人類史を、情報・編集という視点によって読み解いていく。主軸となる論旨だけではなくて挿話が面白く、考えるヒントが詰まっている。例えば障害のあるお子さんをおぶって運動会で走り、その子が「うわーっ」と喚く声が自分自身の声に思えるという話からは、言葉の世界を遥かに超え、宇宙的な広がりのある一体感を感じる。西洋のルネサンスやバロック、それに平行する日本の座や悪所の文化を考えていく辺りも興味深かった。2014/01/01
mizuki
48
学生の頃は、試験のために暗記する科目であると勘違いしていたため、歴史への興味はまったく持てませんでした。しかし著書を読み後悔しています。歴史を学ぶことで、こんなにもワクワクする発見があったんですね!時代の流れを理解することって楽しい♩編集といったキーワードに注目することで、世界のつながりや流れが見えて驚きました。そしてとにかく面白かったです!歴史を学びたいと思わせてくれますw タイトルに「17歳のための」とあるように学生に読んでほしいです。わたしのように試験だけのために学ぶなんてことのないようにw2017/03/14
マエダ
44
さまざまな人間文化の成果を関係付ける「編集」の観点でまとめられた本書。17歳の為のとあるが、自身が17歳のときはこの講義を聞いても面白さが見出せていなかったとはおもう。 30代で読んでもかなり勉強になる。2023/06/20
marco
41
「編集」を広義に捉えて「編集工学」という学問に昇華させたセイゴウ先生による、世界と日本の「文化講義」。キリスト教や『スター・ウォーズ』など、時代や場所を超えて広まっている事象を見事に分解・分析してみせる。圧巻は日本の神話や言語、宗教を解説した第四講。心から日本ってスゴイ! と感じさせられる。ただし、セイゴウ先生が指摘されるように、「いつのまにか忘れてしまった」。本書は大学での講義がもとになっているが、若者たちに向けたセイゴウ先生の「申し送り」の言葉は、私の胸にも強く響いた。2015/07/26