内容説明
政治時代去り、経済時代来る。しかるに政治的人物評、今に盛んにして、経済的人物評、多く世に行われず。余の不思議とする所なり。社会は常に無名者に依って進歩を促さる。しかも世界の人物評は、名ある物に媚びて、名なき者を逸するの偏頗あり。余の不思議とする所なり。
目次
第1 明治富豪史(戦争;贋造紙幣;新人物;薩長土肥;五代友厚;二個の大怪;海上王;富国強兵;御用商人)
第2 富豪貴族(富豪界の頭目;家庭の海上王;金融界の覇者;大名華族;都市地主)
第3 海外の人(無人島探検;獅子湾頭の怪;海外貿易者;展望一転;仏魂商服の人)