感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひよピパパ
6
「入門」と銘打ってはいるものの、語られる内容は、なかなか深い。著者の中国語、漢文に対する造詣の深さがうかがえる。前編は例文をもとにした解説風、後編は漢文の特質が項目ごとにまとめられている。後編だけ読むだけでも大変勉強になる。漢文初学者にとっての古典的名著といえる。2018/07/01
isao_key
6
先に読んだ『漢文の話』に比べると、本書は入門と名づけてあるように初級者から分かりやすく学べるような構成になっている。各章に見出しをつけ簡単な漢文から難しいものへ移行する。ひとつの章が10ページほどなので、エッセイとして読むこともできる。本書でも明治の漢詩人という題の中で祖父母の代では文系理系を問わず「漢学」相当深くやっていた。政治家でも実業家でもみな「漢籍」を読んでいた。つまり「一般教養」として漢文を身につけていたが、同時に一生の趣味となっていた、とある。この中で副島種臣、伊藤博文の漢詩が紹介されている。2014/02/16
零水亭
5
(平成元~二年頃読んだ。自分にとって漢文事始めはこの本だった。入り込みやすかったのを覚えている) 巻末の娘さんのあとがき(?)に涙。
yuzi
4
中国語学を専門とする言語学者・魚返善雄さんの遺作。50年以上前に刊行されたものとは思えないくらい平易な文章で、語りかけるように漢文について文法からなんやらを説明してくれる。現代人でも親しみのある名文から日本古典の漢文訳まで登場する漢文は様々。最後の文法の章こそ頭に入ってこなかったが、それ以外はするすると読める。娘さんによるあとがきにしんみり。2017/07/17
G❗️襄
3
「國破、山河有。」「諸行無常。」 四文字熟語や故事成句。漢文の対句的表現、韻文的な響きはリズムがあって心地良い。漢字だらけに厳しさがある反面、縦横無尽の操りは憧れの的たりえる。著者魚返善雄(おがえりよしお)氏は語学の達人、“漢文と中国語は別物”“東洋のエスペラント”“洗練された暗号”“漢文は簡文” と述べ、漢文解釈のノウハウを惜しげも無く説き開く。向学の徒への愛がヒシヒシと伝わってくる。巻末に昭子氏の追悼辞がある。「仇名は臨時夜行急行列車。いつも緊張と集中の深夜、命を削るように執筆していた」という。2024/05/29
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