内容説明
本書は、世界の有名な大思想家の生涯とその思想を、当時の社会的背景にふれながら、立体的に解明した思想の入門書です。
目次
音楽的な家庭環境
音楽と哲学
キルケゴール論―美的なものの構成
時代の波―私講師からイギリス亡命へ
アメリカ亡命
啓蒙(文明)の野蛮化の省察―『啓蒙の弁証法』
ドイツ帰還
ミニマ・モラリア(小倫理学)―傷ついた生活裡の省察
音楽論
諸哲学思想に対する対応と批判
『否定弁証法』
学生との対決
悲劇的な死去と葬送
遺作、『美の理論』
アドルノ哲学の培養源と個性
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
柳田
5
centurybooksの人と思想シリーズは、半分が伝記、半分が主著の解説という構成をとっている。このシリーズ好きで集めているが、小牧治さんはアドルノのほか、ドイツ系の人を中心に7冊書いている。少し古いので、最新の研究成果が盛り込まれているとかいうことはないだろうが、ドイツに留学して聴講の相談をしにいったら、この日本人の聴解力ではアドルノは無理だろうとか思われてホルクハイマーの講義を聴くことになるが結局わけがわからなかったとか書いてあって面白い。アドルノは難解で有名だが、プロジェクト自体はわかりやすい?2018/02/18
ミツ
4
パラパラと通し読み。ホルクハイマー、ベンヤミン、フロムらと共に初期フランクフルト学派として活躍したアドルノの生涯とその哲学について解説する。 「要約不可能」とまで言われていたアドルノの哲学をなんとかわかりやすいように説明しようとしているが、一般読者が気軽に楽しむというよりは、少し哲学や社会学をかじった大学生向けという感じか。 ある程度時間をかけて読めば理解出来そうだし、内容もなかなか面白そうなのでいずれまた再読したい。2010/12/17
伊崎武正
0
アドルノの芸術に関する考察に興味をもてた気がする。美は醜をとりこんでいるからこそ美、てな感じのこと。2015/10/01
上り下り澱
0
批判理論を構築したフランクフルト学派の第一世代。哲学者であり、また音楽家というアドルノは音楽家的哲学者として文化批判に生涯を費やしました。2014/09/29