内容説明
谷川俊太郎処女詩集。
目次
二十億光年の孤独
二十億光年の孤独拾遺
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
☆よいこ
53
谷川俊太郎のデビュー作。「はるかな国からー序にかへて」は三好達治「冬のさなかに永らく待たれたものとして 突忽とはるかな国からやつてきた」素晴らしい。表題作「二十億光年の孤独」万有引力とは ひき合う孤独の力である▽書架整理であるじゃんと思い読了。1992年刊、サンリオ発行。1952年創元社『二十億光年の孤独』と1972年角川書店『日本の詩歌・谷川俊太郎詩集』に収録「二十億光年の孤独 拾遺」を合わせ、旧字・旧仮名遣いを新字・新仮名遣いに改めたもの。▽若い2020/02/06
寛生
48
【図書館】〈神話〉から湧き上る天然色に染められながら、谷川は孤独な祈りを捧げる決意をする。その孤独の力こそ彼の祈りの力であり、その祈りは暗闇の中で、小さいが確かな炎となる。地球上のすべての人間の小さな祈りを信じることは、谷川にとっては詩を書く行為となり、精気に満ちた詩が書かれた紙は、炎の中に投げ込まれていく。どんなに風が強く吹いてもその炎は消えることはなく、その炎は、我々読者の眼差しにむけていつもかたりかける。そして、その小さな炎は、一瞬にでも我々読者の感傷の存在を忘却させる愛をも持っている。2014/04/22
アヤ姉
19
「或いはネリリし キルルし ハララしているか」この擬音語のセンス!60年以上たった作品なのに、言葉の端々に谷川さんっぽさ。感情が言葉からリアルに伝わる。上がったり下がったり、落ち込んだり、悲観したり、信じたかったり。〈孤独〉と言いながら、心許なさや寂しさより温かさを感じる。二十億光年。火星までの空間の距離よりも、近くにいて感じる心の距離の方が寂しい。だからこそくしゃみのような、ちょっとしたユーモアが人間には必要なんだろうな。「世代」「春」「飛行機雲」「周囲」「はる」「病院」が好き。2015/09/09
ぬらりひょん
17
詩集なんて何年ぶりに読んだだろう。谷川俊太郎といえば、4回結婚して4回離婚した(たしか・・・)というエピソードとスヌーピーの翻訳というイメージが先行。詩っていうのは、脳みそを経由しないでこころを直撃するかんじ?はっきり言ってちっともわからない。でも、脳みその奥のほうがかゆくなって、わかりそうでわからない、じれったいかんじ。国語でも詩は苦手でした。2015/03/15
サラダボウル
12
二十歳の頃に本書を買って、四半世紀私の小さな本棚にいてくれている。この本が部屋にあったら格好イイかな、というヨコシマな理由もあった気がする。ページを開く時はいつも、何か迷っている時かもしれない。私の言葉では表せない、宇宙にポーンと放り出されたような、つかみどころのない気持ちになる。 幸福な少年は 夢に不幸を知って 幸福を祈り 不幸な少年は 夢に幸福を知って 幸福を祈った 怠け者の僕は それをまだ読めないでいる2020/04/21