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内容説明
星について学びたいと思う人は、まず、客観的な態度で星を観察しなければならない。星が自分の思い通りの位置・時刻に現れないからといって「最近の星はどうも乱れている」と言うことはできない。これと同じように、ことばについて学びたいと思う人は、客観的にことばを観察しなければならない。「最近のことばはどうも乱れている」と言いたいところをとりあえず我慢して、マンガやインターネットのことばを虚心坦懐にながめると、そこに面白いものが見えてくる。…日本語社会はまさにキャラクタの社会である。その中で人々がキャラクタに生き、キャラクタに悩む様子をしばし、のぞき見てみよう。
目次
第1章 キャラクタとは何か?
第2章 キャラクタはどこに宿るか?
第3章 キャラクタとことばの結びつき
第4章 発話キャラクタ
第5章 まとめと展望
あとがき―「社会的な身体」の考察に向けて
著者等紹介
定延利之[サダノブトシユキ]
神戸大学大学院国際文化学研究科教授。博士(文学)。専門は言語学・コミュニケーション論。従来の研究では見過ごされがちな現象に目を向け、ことさらに観察することにより、研究枠組みの問題点や新しい進展の方向性を検討している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Chicken Book
10
これまで読んでいた本でなんどか引用されていた本だったので、学術的な硬い本なのかと思っていたけど、かなり砕けた文章で読み物として面白いと思った。「キャラクタ」をどうとらえるか、についていろんな視点が与えられ、視野が広がると思う。2021/10/20
kenitirokikuti
8
〈日本語社会において、一人の話し手が発することばの多様性や、コミュニケーションの幸・不幸を捉えるには、「スタイル」と「人格」だけでは限界がある〉。〈外国人が日本語を学ぶ際に、キャラクタが大きな問題になっている〉。「だめねェ」「暑いわァ」奥様の女言葉でしゃべる不自然さに気づかない男の先生。日本語検定1級の才媛「明日は晴れますかな?」(おじいさん先生に習ったのだろう!)。同じく優秀な女子留学生が男子学生への呼びかけで「ボクー?」もちろんガキ扱いの意図はない。2018/12/16
books
0
定延氏の独特な文体。正直言って一回読んだだけではうまく理解できなかった。だが、定延氏の考え方は独創的で目が惹かれるものが多い。この本でもそういった箇所が見られた。再読せねば!
shimojik
0
人間の社会的な部分にキャラはある。コミュニケーションの方法として。2013/01/03
みかんAA
0
役割語は私の研究分野の一つだから、本当はもっと真面目に読まないといけなかったのだが、定延先生が余りにも面白すぎて、軽い気持ちでぱーっと(…と言うほどの速度では無かったが)読んでしまった。出てくる参考文献を読んだことある・見たことあるってのは、何だか自分凄く勉強してるような気分になれますね(笑)2012/01/19