内容説明
世に名を成した偉人はみな、たとえば野口英世のように貧しい中から身を起こしたのだと幼な心に信じていた著者。だがのちに野次馬的な興味で血筋をたどって愕然とした。「どいつもこいつもけっこういい家の出ではないか…」家系図マニアで有名人好き、名声にただならぬ執着をもつ著者による、近代日本スター一族の系譜。政治経済、文学、アカデミズム、古典芸能各界の絢爛豪華な縁戚関係が一目でわかり、“近代”の実像が浮かび上がる画期的な書。
目次
第1章 政財界の華麗なる血脈
第2章 近代文学の祖を継ぐ者たち
第3章 明治・大正の文学界、光と闇の系譜
第4章 昭和の文学界、激動と変革の系譜
第5章 知られざる学界の血筋
第6章 古典藝能の名家をたどる
著者等紹介
小谷野敦[コヤノアツシ]
1962年生まれ。比較文学者・東京大学非常勤講師。東京大学英文学科卒、同大学院比較文学比較文化専攻博士課程修了。学術博士。著書に『聖母のいない国』(青土社、第24回サントリー学芸賞受賞)などがある。近年小説も書き、2007年8月に『悲望』(小社)を上梓した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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@nk
38
外出自粛により書店へ向かいにくいこともあるけれど、次に手に取る物語やテーマがさらりと決まらないのは、せわしない日常(まぁほとんどは仕事…)とは切り離された時間を、いかに作ろうかと入念になってしまうからだと思う。そんなときのためだけではないが、読みかけの本を棚に転がしていたりする。そんな本書は、いわゆる家系図解説。他人の家族構成を垣間見るのは、なにかその、プライベートを覗くようであり、少し疚しさがある。が、中々面白い。あの方は、なんとあの有名一族の系譜を汲んでいたのか、などといった驚きとともに、⇒2021/05/17
ごへいもち
16
途中からはパラパラっと。相変わらずの毒舌も2018/05/16
入院中の雨巫女。
15
《私‐図書館》【再読】系図って面白い。意外な人が、親戚同士だったんですね。2012/03/21
あらあらら
9
知らない人のほうが多かった。へーって思うと家系もそんなになかった。麻生太郎が大久保利道の血をひいてるぐらいか。2007年の出版なので、鳩山由紀夫は首相になるとは予想だにしてなかったのは当然か2015/02/19
Monsieur M.
7
歌舞伎や能など伝統芸能系や政治家などはいかにも世襲なイメージをもともと持っていたが、「世の中には「学者一族」というものがあるのだなあ」と知った。確かに、考えてみれば、なるためのスタートラインに立つ(大学院まで出る)だけでも長い期間と費用が必要だし、周囲に学者のない家系には参入障壁が高そう、ですよね。さらにいえば、就職口を見つけるのにも相当有利になりそう、だし。2019/06/26