出版社内容情報
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内容説明
雨野隆治は三十歳の外科医。受け持ち患者が増え、大きな手術も任されるようになった。友人の癌患者・向日葵は相変わらず明るく隆治を振り回すが、病状が進行しているのは明らかだった。ある夜、難しい手術を終えて後輩と飲みに行った隆治に、病院から緊急連絡が入り…。現役外科医が生と死の現場を圧倒的リアリティで描く人気シリーズ第四弾。
著者等紹介
中山祐次郎[ナカヤマユウジロウ]
1980年神奈川県生まれ。鹿児島大学医学部卒。都立駒込病院大腸外科医、福島県広野町・高野病院院長等を経て、湘南東部総合病院外科勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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五右衛門
150
読了。大好きなシリーズ第4弾!題名を見ただけでこりゃあ何か大きな出来事があったなと。読み進めていくと、あかんやつやん。雨ちゃん、はるちゃんあかん。後半もあかん、隆ちゃんあかん。油断禁物です。終盤はもっとあかん。涙腺決壊。あかん。折角外科医を目指して外科医になって日々これだけがんばっているのに。今回は辛い出来事が多かった様に思えました。一気読みでした。俺もボチボチ頑張ってみるよ。だから雨ちゃんも身体に気を付けてボチボチやって。次回作絶対出るんですよね。待ちます。2022/04/22
TAKA
93
今回は外科医としての試練も受けつつ6年目のアメちゃん。失敗が許せない世界というのはなにかと大変だろうけれど慣れほど怖いものはないのを重い知らされたか。しかし経験は裏切らないし。外科医なんてメス握ってなんぼでしょうから特に。凛子という大胆な相棒がいて切磋琢磨していくんだろうね。人の死の時間が読めるというのは専門とはいえ酷だな。2023/02/02
紫 綺
89
「泣くな研修医」シリーズ4弾。望む死、望まない死、様々な死がここにある。もっと生きたい、もういいや、様々な人がここにいる。哀しみに満ち満ちた一冊💧。2022/10/21
Ikutan
87
外科医として腹腔鏡手術にも慣れて、自信をつけてきたアメちゃんこと雨野先生。でも仕事は手術だけではない。患者への説明にも重い責任が伴う。予後不良の癌患者さんにバッドニュースをどう伝えるか。今回は癌患者さんとのお別れが三つもあり、それぞれの死生観に心が揺れる。そして、命に直結する医療現場だから、求められるのは完璧。人間だものミスはあると分かっていても、そんな甘えは赦されない。そりゃぁ、心も折れるよね。でも、きっとみんな色々経験して成長していくんだね。私生活にも変化のあったアメちゃん。これからも応援しています。2022/04/26
itica
82
雨野隆治、医者になって6年目。手術を数多経験し、外科医としても自信を持ちつつあるが、やはり隆治も人の子だ。病気そのものにだけ向き合うのであれば気楽だろうが、患者は心を持った人間なのだ。そこに悩みや葛藤が生まれる。思いも寄らない落とし穴もあり、くじけそうにもなった。だが、しかし、隆治には留まっていてほしい。私自身が彼のような医者に出会いたいと思うから。隆治に理想の医者を投影してはいけないのかもしれないが、これからも彼の成長を見守って行きたいのだ。 2022/04/26