内容説明
雨野隆治は25歳、大学を卒業したばかりの研修医だ。新人医師の毎日は、何もできず何もわからず、上司や先輩に怒られてばかり。だが、患者さんは待ったなしで押し寄せる。初めての救急当直、初めての手術、初めてのお看取り。自分の無力さに打ちのめされながら、ガムシャラに命と向き合い成長していく姿を、現役外科医が圧倒的なリアリティで描く。
著者等紹介
中山祐次郎[ナカヤマユウジロウ]
1980年神奈川県生まれ。鹿児島大学医学部卒。都立駒込病院大腸外科医、福島県広野町・高野病院院長を経て、郡山市・総合南東北病院外科医長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ミカママ
554
読み終わってしみじみといい作品だ。やはり医療系(ことに現職の医師による)はハズレがない。主人公は幼少期に兄を目の前で亡くすトラウマを持つ、ホカホカの研修医。聴診器を当ててもイマイチ自信がないのが読者に不安とおかしみ、そして応援の気持ちを与える。友人のお嬢(もちろんCA・笑)の恋人が研修医だが、彼女から聞く研修医のリアルと重ねて読んだ。続編も読めるといいな。2023/11/28
ゆいまある
146
外科医でもある作者が、都立駒込病院勤務時代の経験を元にした小説。ブラックジャックによろしくをライトにしたような。泣いてばかりの熱い医者なんだけど、エンタメ作品としてさらりと読める。何故東京に来たのかとか、背景の多くは語られていない。シリーズになっているのでここから明かされるのだろう。患者が心配で病院にずっと泊まり込みソファで寝て、毎日きついのに医者になった誇らしさで一杯で、もっと学びたいと思う。ああ、私も研修医の頃そうだったな。辛いけどやっと医者になれて誇らしかった。続きも読みます。2021/10/18
鍵ちゃん
121
雨野隆治は25歳、大学を卒業したばかりの研修医だ。新人医師の毎日は、何もできず何もわからず、上司や先輩に怒られてばかり。だから患者さんはまったなしでおしよせる。初めての救急当直、初めての手術、はじめてのお看取り。自分の無力さに打ちのめされながら、ガムシャラに命と向き合い成長していく姿を、現役外科医が圧倒的なリアリティで描く。何10年前、私も大病院で勤めた頃(Drではない)経験で何人かの研修医と仕事した経験があり本当に頼りない。だけど、「くじけるな!亅と読みながら心でさけび、また昔を思い出されました。2021/01/02
五右衛門
116
読了。初めての作家さんでした。何だか仕事が出来ない研修医の話かな?こんなにしんどい状態で仕事してます。的な話しかな?ごめんなさい。心が折れそう?いや折れていながらも医者になっていく壮絶な過程を彼を通じて見せられました。彼自身も辛い過去がありそれを乗り越えて行けそうでしたね。しかもチョイチョイ彼を取り巻く人達がいい味出してます。も~また一人追いかける楽しみな作家さんが増えましたよ。2021/01/18
zero1
109
知識、技術、経験全てが足りない新人研修医、隆治。交通事故で緊急手術した5歳男子。回復に難あり。🚨生活保護の94歳男。胃癌を切除しない判断は妥当?🚨14歳少女が腹痛で緊急外来。【女を見たら…】のケース(後述)。🚨25歳で末期癌の患者。挿管無しに疑問が。【負け戦】に新米医師はどう対応する?🚨5歳男子は再手術が検討されるほど状態が悪い。ガス(おなら)さえ出れば…祈りは通じる?🚨作者は現役医師。解説で病理医が作者の決断について語る(後述)。📚️専門用語はあるが平易で読みやすい。続編あり。2023/12/22