内容説明
就職先を3カ月で辞めて以来、自堕落気侭に親の臑を齧って暮らす“甘ったれ”25歳が、母親の病を機に一念発起。バイトに精を出し、職探しに、大切な人を救うために、奔走する。本当にやりたい仕事って?やり甲斐って?自問しながら主人公が成長する過程と、壊れかけた家族の再生を描く、愛と勇気と希望が結晶となったベストセラー長篇小説。
著者等紹介
有川浩[アリカワヒロ]
高知県生まれ。『塩の街』で電撃小説大賞“大賞”を受賞し2004年デビュー。著書多数。演劇界でも様々な取り組みを見せている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tanaka
351
かなり久しぶりに再読。何回読んでもかなり響く内容。2020/12/13
しゅわ
313
【図書館】ドラマも結局見ることが出来ず…タイトルぐらいしか知らず、図書館でかなり待たされたので人気なんだなぁ~ぐらいの認識でした。油断してました。冒頭で鷲づかみにされました。病気の衝撃、もっと早く気付けば…という後悔、年単位の治療の先の見えない怖さ、焦り。本当は病気の一番の原因のくせに全く協力しないばかりか、「気のせい」「大げさ」と適当なことを言い自己弁護と意味のない批難を繰り返す“身内”と、わかってもらえないつらさ、哀しさ。1章を読んでいるだけで、不覚にもこみあげるものがありました。2013/01/17
kaizen@名古屋de朝活読書会
289
騙された。標題に騙された。 非常勤雇用者(part-time jobber)のまま家を買うのかと思った。 いつ買うんだろうと思ったら,常勤雇用者に先になっている。 酷い,詐欺だ,ペテンだ。 登場人物のうち、主人公の武誠治は、あとがきによると著者の影らしい。 現場監督候補の女性,千葉真奈美も著者の一部かもしれない。 せっかく拾った猫も丈夫そうだから、続編を読みたいかも。 参考文献一覧がないのは残念。 有川浩にとって常識的なことしか書いてないという意思表明だろうか。2012/09/09
yoshida
277
新卒で入った会社を3ヶ月で退職した武は再就職も上手くいかず、ずるずるとフリーター暮らしになる。武は両親と実家で同居のため食べるのには困らない。そんなある日、母の寿美子が重度の鬱病となり、武は今までの生き方そして家族と向かい合う。非常に読みやすい内容。武が姉の亜矢子の言葉もあり、劇的に変わってゆく。高圧的であった父との接し方も変え、家族に向き合い、ぶつかり、共に理解し変わる様が清々しい。少し話しが上手く行き過ぎた感もある。恋愛要素もあり私は違和感を感じる。良い話しだが、個人的にはより現実的な内容が好みです。2017/12/16
ユメ
241
寿美子を他人とは思えずに読み、最後には「いい家族がいてよかったね」と声をかけたくなった。誠治の初期のだらしなさには苛々もしたが、彼が諦めない人間だったから、人生のやり直しに間に合った。いい加減に生きてきた部分をごまかさず、それを土壌に新しいものを構築しようと努力する姿は、有川さん自身を反映しているのだとか。そういう真摯な人だから書けるストーリーだなと思う。この物語の核には、誠治の奮闘だけでなく、彼が過去を悔いる時に「間に合ってる」と受け入れてくれる真奈美や豊川たちの存在があって、つまり愛に溢れているのだ。2015/01/03