幻冬舎文庫
ワイルド・ソウル〈上〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 478p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784344407664
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

大薮春彦賞、吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞――史上初の三賞受賞を果たした、爽快感溢れる傑作長篇。いま、最後の矜持を胸に、日本国政府を相手にした壮大な復讐劇の幕が上がる。

内容説明

一九六一年、衛藤一家は希望を胸にアマゾンへ渡った。しかし、彼らがその大地に降り立った時、夢にまで見た楽園はどこにもなかった。戦後最大級の愚政“棄民政策”。その四十数年後、三人の男が東京にいた。衛藤の息子ケイ、松尾、山本―彼らの周到な計画は、テレビ局記者の貴子をも巻き込み、歴史の闇に葬られた過去の扉をこじ開けようとする。

著者等紹介

垣根涼介[カキネリョウスケ]
1966年長崎県生まれ。筑波大学卒業。2000年「午前三時のルースター」(文春文庫)でサントリーミステリー大賞・読者賞をダブル受賞してデビュー。04年本作で大薮春彦賞、吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞、05年「君たちに明日はない」(新潮社)で山本周五郎賞を受賞。独自の人間観察眼と疾走感溢れる筆致で読者を魅了する、注目の作家である(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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ヴェネツィア

466
タイトルは「荒ぶる魂」といった意味合いなのだろう。そして、そうなったことの感情的な根底にあるものは、「怒り」ではなく「憤り」に他ならない。そのあまりの理不尽さに対する憤りである。かつて、日本政府は何万人もの人たちを移民として南米各国に送りこんでいた。触れ込みは薔薇色の新天地であったが、実態はまさに地獄のような有様だったのである。著者の現地取材に基づいて書かれた日系移民の裏面史が小説の基軸をなしている。エンターテインメントの物語として語られるが、そこに込められた「憤り」は激しく、かつ深い。2019/02/06

おしゃべりメガネ

212
とにかくスゴい作品に出会ってしまいました!このハリウッド映画も真っ青な展開は、ハンパではなかったです。上下合わせて約900ページ超過の大作ですが、アッという間に読了してしまいました。悪い意味ではなく、あまり難しいコトを考えずに読めていけるのですが、扱っているテーマはシリアスなモノを扱っています。しかし、決して読んでいてネガティブなキモチにならずにどんどんページをめくりたくなるのは間違いないので、ここ最近‘刺激’的な作品に飢えて?いる方、ガツンときたい方、読書空間に没頭したい方は是非ぜひオススメです。2010/09/09

遥かなる想い

139
アマゾン移民を背景に、現代で発生する事件の 前編。移民の苦労を重厚な筆致で描いている。2010/09/25

修一郎

137
読メさんたちの評判が抜群だったので,楽しみにしていた。もう興奮しっぱなし…。酷薄すぎる南米移民政策の悲惨な実態を圧倒的なスケールをもって描く前半。現地取材で掘り起した怒りをぶつけてくるような文章,数字の一つ一つが具体的で,まるでドキュメンタリーのようなリアリティをもって迫る。「野菜を作ればいくらでも売れる。」「熱帯は稲の生長も早いから,収穫も楽」 情報のない時代,お上のいうことを信じて人減らし政策に乗せられてアマゾンに渡った人たち‥。世代をまたいだ怒りの鉄槌,これからいくぞってとこで,下巻へ…2015/04/12

紫 綺

111
単行本にて読了。昔の外務省の体たらくを初めて知った。現在も根元は変わっていないのかも・・・。2014/01/25

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