内容説明
片道切符で旅立ったクーロン黒沢がディープな僻地で出会う筋金入りの奇人変人たち。訳ありの逃亡者、反省していない元殺人犯、変態、ヤク中、詐欺師…。あわよくばひと儲け、と付き合ったが最後、想像を絶する悲惨なトラブルに次から次へと巻き込まれていく。すったもんだの末に辿り着いた悟りの境地とは一体?史上最低最悪の青春顛末記。
目次
プノンペン―浪人残酷物語
カンボジア―負のサクセス・ストーリー
バンコク―真夏の夜の男の夢
中国―絶望共和国の旅
ミャンマー―ただれた休日・イン・ヤンゴン
チベット―暗黒グレートジャーニー
東京―エスニックな性病科
著者等紹介
クーロン黒沢[クーロンクロサワ]
1971年東京都生まれ。九〇年代半ばよりカンボジアの首都・プノンペンでライター生活を送る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やすらぎ 🍀安寧祈願🍀
155
日本を出れば思うようにいかないのは当たり前だった。1990年代半ばの裏アジア。スコールが降ればなぜか3階が水浸し。ベランダに排水溝がないとは。買いたてのエアコンから火花がほとばしる。お湯が出るだけで感激である。色々と連れ回され、ここまで無茶苦茶な世界があったのかと、開いた口が塞がらない。しかし作者は楽しんでいる。プノンペン、カンボジア、バンコク、中国、ミャンマー、チベット。とても飲み込むことのできない食事、失くなっていく所持品。そして最後は東京である。ここもアジアである。なぜ私はこの本を手にしたのだろう。2023/11/26
mr.lupin
46
表題からしてもう少しディープでアングラ的な紀行文かと思っていたが、内容的にはそれほど過激な事はなかったが、それでも面白おかしく読了できた。プノンペン、カンボジア、バンコク、中国、ミャンマー、そしてチベットと名前は聞いた事あるよう国々のアジア紀行。しかし毎度の事ながら、世界にはイロイロな国がありイロイロな文化や風習があるな。でも最終的には安心や安全を考えるとこの日本が一番良い国なのかな。 ☆☆☆☆★ 2020/10/14
アポロ
44
もう細かい事気にしないくてよくなりそう!こんな世界もあるんだね!ちょっとちょっとだけ羨ましくもある!2020/04/23
ぽち
14
告白。昔アウトサイダー系のサブカル者だったんですわたし。著者のアイドルだという青山正明氏の本はよく読んだなあ。そして実践もしたなあ。それはともかく、いまは昔。ひさびさにこの手のモノに手を出したのだけど、すっかり露悪的なものに拒否反応が出るようになっていた。パン粉を油で揚げた系の食べ物が食べられなくなったように・・・まあでも笑えます。あとミャンマー行きたい。2016/09/09
ジョニーウォーカー
14
澄み切ったあっさり系のラーメンではなく、時にギトギト油のカラダに悪そうなラーメンを食べたくなることがある。本書もそんな部類の一冊だと思う。何をするでもなく、ただアジアの“場末中の場末”を放浪するその旅は、出会う人、泊まる宿、入る店、とにかくすべてがロクでもない(笑)。開高健や椎名誠の冒険記から得られるようなカタルシスは微塵もないが、それでも読まずにはいられない密かなおかしみと背徳感。読書とは、ただタメになる知識のみを得る行為ではないことを、あらためて実感させられる。2009/07/15