内容説明
柏木の復讐のシナリオは着実に進んでいた。そんな中、元強盗殺人犯・及川広美が刺殺される。彼の更生を固く信じていた定年間近の刑事・桑田規夫は、弔いを誓い志願して捜査を開始する。その直後に発生した第二の殺人事件の意味とは?一方、柏木の背後には音もなく忍び寄る不気味な影が現れる。多くの思惑が交錯し、事態は急展開を始める…。
著者等紹介
白川道[シラカワトオル]
1945年北京生まれ。一橋大学卒業後、様々な職を経てバブル期に株の世界に飛び込む。94年、体験を生かした『流星たちの宴』で衝撃デビュー。エンターテインメント小説界の旗手と絶賛される
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tetchy
128
誰も彼もが過去に囚われ、今を悔やんでいることが判ってくる。本書のキーワードは夜と飲み屋、自然、星、そして馬だ。それらは全て作者本人が好きなものなのだろう。これだけ夜が象徴的に描かれるのはやはり作者が夜に生きてきた男だからだろう。そしてビジネスの表と裏をも知り尽くした男でもある。会社経営にも携わってきた作者はビジネスの昼の顔と夜の顔を知っている。彼らの成功は一種道理から外れた過去、深い業を背負ってきたことで成り立っているように思える。それらの業が深ければ深いほど成功もまた大きくなる。恰も振り子のように。2020/10/04
やも
76
上巻では少しごちゃっとしてた箇所が、刑事さんがうまくまとめて分かりやすくしてくれた👍刑事さん本人にとっては予測でしかないけど、その予測当たってるよ、スゲーな。金、政治、権力、出自、復讐、希望、そして愛、、。事態は複雑、パズルの完成絵はまだ見えないね。パンドラの箱を開けてしまったかのように、ふと胸を鳴らす、しまったはずの昔の恋。キーポイントだね。「心の傷を抱えているからこそ人間なんだ」くーーっ!たまに入る決め台詞がたまらんのぅ🥲✨クライマックスまで突っ走るぜ🏃‼️★4.52022/05/24
chimako
72
繋がったかに見えた点と点はただの点ではなかった。誰にも言えない秘密が隠れていた。その点を記した2人は再び出会い、想いを確かめ合う。まだ、何か隠れている予感。一馬は何をしたいのか。未央は恋する人が父だと知るときが来るのか。母と圭一の過去をどう消化するのか。圭一の罪は。怒涛の下巻へ。2015/08/27
miyumiyu
56
思いがけない展開に、あっという間に読了。柏木も亜木子も未央も切なくて…これからどうなるんだろう。今すぐ下巻へ。2014/08/27
ユザキ部長
50
ワールドにグイグイ入ってます。スゴイ!また圧倒的な大自然の北海道って東京との暮らしと対局にあるけど、これだけの長い年月があると、もの凄い距離感だと感じた。下巻が楽しみ!2014/01/19