内容説明
タクシー運転手の趙奉三は交通事故で瀕死の重傷を負って以来、失業中だった。何とか極貧から脱出したい趙は、悪友の李南玉に健康マット商法に誘われ研修会に参加し、いつしかのめりこんでいく…。金に目がくらんだ男女を狂わせる完璧なシステムと巧妙なマインドコントロール。著者自らの体験を基に人間の欲望の本質を暴く驚天動地の衝撃作。
著者等紹介
梁石日[ヤンソギル]
1936年大阪府生まれ。「血と骨」で第一一回山本周五郎賞受賞
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感想・レビュー
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愛 飢男
25
私が行っているスポーツジムの方から譲り受けた本。おそらく、教えてくれなければ自分のテリトリー外だったでしょう。これは、梁石日さん自身の体験を小説化ものだと思います。 身体に良いという健康マットの販売。いわゆるネズミ講ですかね。始めは乗り気じゃなかった本人が二泊三日の研修の結果、のめり込んで行く描写が鮮明に描かれ人間っていとも簡単に洗脳されるんだという恐怖を覚える。読んでる私も洗脳されていく。自分自身は大丈夫と思っていたがこの本を読んで自戒しなければと改めて認識。ジム友Hさんありがとう!2015/06/22
まあちゃん
13
破天荒な人だ。血と肉で作者の父親も常軌を逸していた。酒と女と悪友。借金と夜逃げ。タクシー運転手になるも体を壊す。金に困り昔の悪友と、危険性をわかっていながらマルチ商法の激しい濁流に巻き込まれ、かけあがり、またドン底へ。なにかを本気でやるっていうのはいい。ただ、やっぱりこれは常軌を逸してるのだ。損得勘定。駆け引き。騙しあい。終わりはどのようにいつ訪れるのか。読みながらそこにハラハラした。そうだ、著者の作品を読む醍醐味はいつもハラハラ感があるんだ。この方自体が常識の枠からはみ出しているせいかな。2020/04/04
読み人
7
マルチ商法に加担し天国から地獄まで味わうストーリー。関西弁の話し方と苗字の読みにくさから読むスピードが上がらず。人がどのようにして洗脳されていくかが見えて怖くなる。2016/11/05
ぴぴ
6
この作者は三作目。めちゃはまってます!面白くてぐいぐい読めます。だらしなくお金にルーズな主人公がマルチ商法とわかっていながら、どんどん深みにはまっていく様が書かれています。凄くリアルだし、私も研修会に行ったらヤバいかもしれません。洗脳って恐ろしいですね。まっとうに働くのが一番だと思わせてくれる本でした。あ、在日の方の名前の読み方がわからなくて勝手に音読みであてはめました!2013/07/12
読書亀
4
健康マット販売、いわゆるマルチ商法の話。途中の研修会の場面は『実録!』って感じで、詳しいかった。やっぱり コツコツはたらくのが1番。儲けた以上に損が待っている。関わりたくない世界。2017/04/23