内容説明
夥しい爆発の光が咲き乱れる宇宙は溶鉱炉と化し、次々と墜落する機体が月面を灼熱させる。多くの人間を犠牲にした戦争もついに佳境に。“ターンA”のコクピットで、ロランが見つける真実は?そして“ターンA”の意味とは?「ガンダム」の歴史に新たな一ページを刻み、小説の無限の可能性を提示するSF大河ロマンの金字塔。怒涛の完結編。
著者等紹介
福井晴敏[フクイハルトシ]
1968年東京都生まれ。98年「Twelve Y.O.」で第四四回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。二作目「亡国のイージス」で日本推理作家協会賞、大薮春彦賞などを受賞し、一躍エンターテインメント小説界の寵児となる
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乱読太郎の積んでる本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Willie the Wildcat
72
ナノマシン・ハザードの真実と空間転位、欠けているのは「心」。故の”花咲爺”。欲と感情の交錯が齎した殺戮の歴史。繰り返される過ちの修復力も「心」。象徴はヤーニ少尉という感。フランへの思いやりやハリーとのけじめのつけ方など、ヤーニ少尉の人間臭さが印象的。これがヒトの持つ真の生命力。ロランとソシエの再会の場面、いいなぁ。予想できても「これしかないよなぁ」という〆方。”メリー”、意義と意味もしっかり噛み締めました!なお、ソシエの”覚醒”の場面、カツ・レス・キッカがアムロを”導く”場面が頭に浮かんだ。嗚呼懐かしい。2019/11/10
姉勤
31
出発点は同じでも原作とは別の結末に至った本作。「報われない恋の切なさ」を描くのに、核爆弾や宇宙戦艦や、仕舞いには地球まで達する月全体が粒子加速器となる超兵器や、さらにそれを単機で凌駕するロボットが要るかは別として。悲恋は愛憎に、そして怨念へ変わり、取り返しのつかない悲劇や過ちを繰り返す。それでも、それすらも糧にしても、争いなき生命種と成るまで世代をつなげていこうという、富野ガンダムに立ち戻った。 「人類度し難し」、みんな星になってしまえ。となる、イデオンの一歩手前で辛うじて踏み止まった。2016/04/04
kaida6213
21
ターンエーノベライズ最終巻。アニメも(あれはあれでいいのですが)悲し気なラストですが、こちらも負けず劣らず。救いのある人の方が少ないような気がする。ソシエが元気ね。あと、御大将の登場シーンが少なすぎて笑う。2015/10/31
ひびキング
11
現代日本を舞台にした他の作品には無い大量破壊兵器による大規模戦闘が重苦しい。全ガンダムシリーズを黒歴史として纏めてしまったから、他のガンダムにどれほど希望や救いが匂わされていてもこの悲劇に辿りたいてしまうのだと分かればやり切れない。しかしこの作品ではエピローグの続きを読者が自由に想像することができそうだ。宇宙世紀に呪縛されたユニコーンよりその意味でこちらの方が好き。紛れもなく福井氏の最高傑作。終章の人々の営みに目の奥が熱くなるのを押さえられない。2014/07/11
浅木原
9
端的な印象は「∀ガンダムの設定と序盤の展開を基にガノタが考えた従来の富野ガンダムっぽい話」。アニメと同時進行で書かれたらしいからVまでの富野ガンダム観を基に書くしかない以上こうなるのは必然で、原典を尊重する二次創作の宿命。∀アニメ本編みたいな話を作ることは富野由悠季自身にしかできない。じゃあ「第三者の書く二次創作にしかできない話」とは何か、ということになると原典で原作者が自分自身で整理できてなかった部分を客観視して総括することで、そこからニュータイプ問題を総括するガンダムUCが生まれると。なるほどなあ。2019/11/09