内容説明
「やっぱり、あなたが真犯人だ」―“キツネ目の男”に擬され、グリコ・森永事件の最重要参考人Mとして警察にマークされた宮崎学をジャーナリストの大谷昭宏が徹底追及。時効成立後、真相は闇の中に消え、宮崎が本書に記した「私が犯人だとしても、時効が成立したらけっして真実を語らない」(あとがきより)という謎めいた言葉だけが永久に残った。
目次
第1章 グリコ・森永事件とは
第2章 最重要参考人M=宮崎学への疑惑
第3章 グリコ・森永事件の現場再訪
第4章 グリコ・森永事件の謎と教訓
特別対談 企業恐喝の知恵と技
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とくけんちょ
38
タイトル、核となる部分の分量は少ない。最重要容疑者と言われる男性に次々と疑惑をあてて話を引き出していくインタヴュー形式で進んでいく。のらりくらりとかわされていくので、読み手のストレスがたまっていく。ネタあてるんやったら、もうちょい、突っ込まんかいとグリ森の犯人になった気分となるものの、最後は、完全に白でしたっと肩透かしで終わる。内容は無い。2019/01/02
緋莢
16
昭和59年3月の江崎グリコ社長誘拐事件から端を発した「グリコ・森永事件」。世間を震撼させたこの事件、モンタージュとして公開された「キツネ目の男」。その「キツネ目の男」として、警察にマークされた男・宮崎学。 しかし、宮崎は逮捕されず、事件は時効が成立。風貌が似ているという以外にも“犯人”と思われる要因が多数ある宮崎学に、ジャーナリストの大谷昭宏が徹底追及する。2016/12/11
藤月はな(灯れ松明の火)
10
「レディ・ジョーカー」のモデル、また最近、読んだ短編で盛り込まれた事件がグリコ・森永事件を思わせたのですがこの事件のことをあまり、よく知らなかったため、読みました。容疑者が特定しやすい地域での遺留品が多すぎたために逆に特定できなかったことやグリコ・森永事件がメディアの浅薄さや警察の弱体化を露呈することになったことなどが論じられていて興味深かったです。社長が幹事長と対談した結果、黙秘し続けたということになぜかすごく、ぞっとしました。2012/02/17
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2
NHKスペシャルの検証番組を見て興味をもった。当時、自分は小学生だったので「キツネ目の男」の似顔絵以外はあまり印象がなかった。宮崎学氏が容疑者にされていたことなど、事件の詳細を知りたくて読んでみた。この事件が解決されなかったことで、その後の社会に悪い影響が出てしまっていることは否めない。事件に関わったであろう人物が誰一人として口を割らないことも謎めいている。時効になったとはいえ、この先何かしらの新事実が出ることはないのだろうか・・・2011/11/20
ヒイロ
1
グリコ森永事件という事件を通じて、日本の社会の暗部に迫っているの一部を説明してくれている。その点にはひかれる。しかし、この手の本が増えると真似をしてくる人もいるだろう。その点が心配。 自分が犯人だったとしたときに、どの程度の額をもらうとすると見返りにあっているだろうかとも思ってしまう。まだまだ自分の器の小ささを感じてしまう。私は庶民派だ。2011/08/20