内容説明
一九四五年八月九日ソ連参戦。ソ連軍の侵攻から逃れるために、満洲国首都・新京から朝鮮北部の郭山という小さな町に疎開した一〇九四名の日本人。足りない食糧。厳しい冬。人々は飢えと寒さ、伝染病に苦しみ、子どもたちは次々と命を落とす。朝鮮北部を掌握したソ連軍は日本人の移動を禁止し、本国・日本からも救いの手は差し伸べられない。「このままでは死を待つだけ。なんとしても日本へ」―ついに決死の脱出行が始まった。本土終戦の日から始まった地獄のような難民生活。なぜ彼らの存在は黙殺されてきたのか?「戦後史の闇」に光を当てた凄絶なノンフィクション。
目次
第1章 ソ連参戦―一九四五・八・九、新京
第2章 一〇九四名の疎開隊―北朝鮮・郭山
第3章 足りない食糧
第4章 飢餓の冬
第5章 死にゆく子どもたち
第6章 旧満洲への帰還
第7章 残された人々―一九四六・春、郭山
第8章 三八度線を目指して―決死の脱出行
第9章 国共内戦の荒波―一九四六、長春
第10章 最後の脱出行―一九四六・九
終章 日本人難民―戦後史の闇
著者等紹介
井上卓弥[イノウエタクヤ]
1965年、山形県生まれ。慶應義塾大学法学部卒業。1990年、毎日新聞社入社。外信部、東京社会部、「サンデー毎日」編集部などを経て、現在、東京学芸部編集委員。2000年10月から4年間、ローマ特派員を務め、バチカン、パレスチナ紛争などを取材。03年のイラク戦争で米海軍に従軍した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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