内容説明
一番若くて一番きれいな女にだけ価値がある。描かれることのなかった“女子アナ”たちの嫉妬と執着と野心。
著者等紹介
小島慶子[コジマケイコ]
1972年オーストラリア生まれ。エッセイスト、タレント。学習院大学を卒業後、1995年TBSに入社。アナウンサーとしてテレビ・ラジオに出演。1999年第36回ギャラクシーDJパーソナリティ賞を受賞。2010年退社。テレビ・ラジオ出演、連載多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hiro
125
小島慶子さんの小説ということで読んでみた。冒頭から「私には、ブスの気持ちがわからない。」で始まる。登場人物のほとんどが嫌なやつで、読んで気持ちが良くない本だ。そして女子アナの世界ってこんなのかと勘ぐってしまう。そして最後も「私には、ブスの気持ちがわからない。ブスにも私の気持ちがわからないだろう。」という冒頭の文章を上書きする言葉が登場する。ではこの本のテーマって何だろうか。もちろん単純な暴露本ではなく、互いを理解できない人間同士がいっしょに生きていく辛さを、作者がいた女子アナを通して描いたと思う。2015/10/02
takaC
99
私には、ブスの気持ちがわからない。ブスにも私の気持ちはわからないだろう。というスタンスの女性が主人公のお話。2016/08/16
Lara
97
女子アナウンサーの世界を描いた小説だが、現実はどうなのかと勘繰ってしまう。あくまでも自身の担当番組獲得のため、日々自身を取り繕い、目立たせることばかりの佐野アリサ・アナウンサー。何だか、読んでいるこっちのほうが、辛くなる。ま、しかし皆さん、自分自身のためには、一生懸命になる。2021/01/03
high
94
[15-288-146]テレビ太陽のニュース番組『ウィークエンド6』 メインキャスターの産休を機にアイドル女子アナを起用し、低迷する視聴率を巻き返そうとするが…。女子アナや制作に携わる女性同士のどろどろとした嫉妬や執着。アナウンサーになるような方は、やはりプライドは高いのが普通ですよね。トラップの掛け合いでボロボロに…と思っていましたが、陰口程度だったのでまだ救われたかな。TVを観ていると、作られた凍った笑い顔や、あざとさが滲み出ている人もいますよね…怖いなぁ^^;2015/11/30
Ikutan
68
「ブスの気持ちがわからない」と言い切る超美人のまなみ。「仕事ばかりじゃなく、家庭も子育ても」と自分が基盤のある選ばれた女と信じて疑わないアリサ。政治記者やディレクターの経験を積んで、ただ読むだけの女子アナを見下している、頭脳明晰な望美。競争の激しい華やかな世界で、女子アナたちが繰り広げる熾烈な争い。野心や嫉妬。それぞれの建前と思惑が入り乱れる。いやぁ、なかなか面白い。まぁ、私には、全く別世界だわ。でも、今の社会の中では、女性の価値が若さと美しさで決められているのは否定できないな。装画も印象的な一冊でした。2015/08/20