内容説明
誕生から高校入学までの15年間、両親・伯父・副塾長・牧師…多大な影響を与えた先生たち。知の“巨星”の思想と行動の原点を描いた自伝ノンフィクション。
目次
僕の両親
あさま山荘
山田義塾
哲学と神様
スカウト
数学の先生
革命
進路相談
高校受験
春休み
塩狩峠
稚内
帯広
立席特急券
父の背中
著者等紹介
佐藤優[サトウマサル]
1960年生まれ。作家・元外務省主任分析官。同志社大学大学院神学研究科修了後、外務省入省。在露日本国大使館勤務等を経て、国際情報局分析第一課主任分析官として活躍。2002年背任等の容疑で逮捕され09年上告棄却。『国家の罠』(毎日出版文化賞特別賞受賞)、『自壊する帝国』(新潮ドキュメント賞、大宅壮一ノンフィクション賞受賞)他著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
122
佐藤優さんの15歳までの自伝です。この本の題名にもあるように自分の様々な場面における先生を自分との関係で書いたものです。両親や塾の先生などあるいは学校の先生や教会の牧師さんで、「我以外皆我師」という吉川英治の「宮本武蔵」を思い出しました。自分の考えをきちんと持つという佐藤さんの基本的な考え方は15歳までに作られたという感じがします。2015/10/12
積読亭くま吉(●´(エ)`●)
105
★4・佐藤優氏の高校入学までの半生を綴った自伝。彼の「先生」達との交流が軸となる。両親、伯父、塾講師、牧師、彼に多大なる影響を与えた誰もが言う「君自身の頭で考えた事を尊重しなさい」と。彼の思想、哲学、政治の深い根は、戦時下の沖縄で少女期を過ごし敬虔なクリスチャンとなった母親にある。学びたい時期にそれを取り上げられた両親の思いが、彼の心に、公平で平等で在りたいと言う理想を芽吹かせ、小学校高学年にして既に、哲学と宗教の間で答えを模索し、やがて社会主義へと目を向けていく。この先、この先の彼が知りたい、強く思う。2015/10/28
かわうそ
78
★★★★★再読。佐藤優先生の著作でどれがお勧めか?と問われたらすぐさま『国家の罠』とこの本を勧めるだろう。佐藤優先生は数学の先生にこう言われた。「佐藤君、読書というのは、他人の頭で考えることだ。それだから、気をつけないと本ばかり読んで物知りになっても、人生はまったく豊かにならない。『この人はこういう考え方をしているのか』ということを理解したら、一回、頭を白紙にして、別の人の本を読む。そういうふうにいろいろな人の考え方をきちんと押さえておくと、ある時点から頭で考えることができるようになる。」まさにその通りだ2016/09/26
壱萬弐仟縁
54
学歴と人間性はまったく関係ない、と優氏の父上は銀行に勤めたのは失敗だったと述懐された(40頁)。そんなもんかな。激務だったんだろうな。父上は人間をカネとしか考えない奴が多すぎると、漏らした(41頁)。今もそれは変わらないので、アベノミクスとか、先進国の体面ばかり考えてる。父上ができなかった文学や歴史を息子優氏に託したのだった(42頁)。私のヲヤジにはそういった面はなかったな。むしろ母親が小説を好んだので、慶應文学部を出たのは母のDNAであったろう。2015/09/29
ぐうぐう
29
少年時代を綴った佐藤優の自伝。それは、師を巡る物語だ。師と言っても、教師ばかりではない。伯父であったり、副塾長であったり、牧師であったり、ときには先輩や同級生であったりもする。そんな師達から少年・優は、貪欲に様々なものを吸収していく。その吸収したものが思考だけで終わらずに、きちんと行動となって表れていくのがいい。そんな勝の行動力の後押しとなるのが、両親だ。つまり勝にとって、最大の師は父と母なのだ。(つづく)2015/09/29