内容説明
なぜ、どのように、架空の一人乗り機“メーヴェ”を実現させたか。10年間をかけたプロジェクトの全容。最初は模型、次に実寸サイズの機体を制作し、ゴムで引っ張るグライダーでの飛行訓練を経て、ようやくジェットエンジンで飛翔するまで。
目次
第1章 プロジェクト始動
第2章 グライダー機を飛ばす
第3章 舞台裏
第4章 ジェットエンジン搭載
第5章 宇宙と空と
著者等紹介
八谷和彦[ハチヤカズヒコ]
1966年、佐賀県生まれ。メディアアーティスト。九州芸術工科大学(現九州大学芸術工学部)画像設計学科卒業後、コンサルティング会社勤務を経て、(株)PetWORKsを設立。2010年より東京藝術大学先端芸術表現科准教授
猪谷千香[イガヤチカ]
1971年、東京都生まれ。文筆家。明治大学大学院博士前期課程考古学専修修了。産経新聞文化部記者、ニコニコ動画ニュース編集者を経て、ハフィントンポスト日本版勤務
あさりよしとお[アサリヨシトオ]
1962年、北海道生まれ。マンガ家。なつのロケット団の一員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kawai Hideki
154
ナウシカと空への情熱がこもった素晴らしい本。イラク戦争開戦をきっかけに「未来のナウシカのために」メーヴェの制作に至った話、零戦の設計者の系譜と国内での航空機製造技術のともしび、作りながらパイロットとして武道の訓練を始めるなど、面白いエピソード満載。話を掘り起こしてまとめるインタビュアの力量がすごい。主題のメーヴェの制作だけでなく、ポストペットや、バックトゥザフューチャーのホバーボード制作、個人利用のガイガーカウンター講習会など、根っからの企画屋だなあと思った。巻末の無尾翼飛行機の解説漫画も分かりやすい。2015/01/14
パフちゃん@かのん変更
82
風の谷のナウシカを観て「メーヴェに乗ってみたい」と思った人は多いかもしれない。けれど実際、作ってしまうとは!その情熱、知識や技術、資金、人材ネットワークすべての条件が揃わなければできない。九州芸術工科大学画像設計学科卒業のメディアアーティスト。パイロット50kg、離陸速度時速36kmと仮定して計算して全幅8m位の機体で30kgに抑えられればメ―ヴェは作れる!という結論に達して試行錯誤を繰り返した。9000万円以上の開発費をつぎ込んでいる。他にもロケットを飛ばしたり楽しそうです。2015/01/29
マエダ
78
この何でもやってみようの精神は素敵である。2017/02/21
Miyoshi Hirotaka
64
「風の谷のナウシカ」に登場する「メーヴェ」が飛ぶまでの10年の記録。空を飛ぶ能力は人間にはないが、道具を作って空を飛ぶことは人間にできる。ところが、ロマンスとエンジニアリング、そのどちらが欠けても人間は空を飛べない。ロケットや飛行機は軍事利用を目的とした国家レベルの開発により技術が飛躍的に進歩した。しかし、その始まりに空を飛びたいという痛々しいほどの高揚感がなかったら実現に至らなかった。もし、過去に蓄積された技術が民間で利用できるのであれば、みんなを幸せにするような夢のある乗り物がどんどん空を飛ぶべきだ。2015/02/21
夜長月🌙@5/19文学フリマQ38
31
「風の谷のナウシカ」に出てくる「メーヴェ」を10年、9000万円かけて作った!自身を「まさに中二病」と言っているがロマンのある話です。「メーヴェ」に乗ってみたいなぁ。アニメの架空の飛行機を作って自分で飛んでしまうんですよ!夢、思い、挫折の詰まった一冊です。(一昔前に流行った「Post Pet」を作った方でもあります)2016/02/24