時限の幻

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  • サイズ B6判/ページ数 317p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784344022690
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

天下の趨勢が織田信長に傾いていた戦国中期。「会津の執権」金上盛備は、ときに政略結婚で隣国の動きを封じ、ときにあえて仇敵と同盟を結び、巧みな外交術で主家・蘆名氏を支えていた。しかし本能寺で信長が倒れるや、天下を狙う隣国の若き当主・伊達政宗が牙をむく。一気に蘆名を手中にするべく暗殺者を送り込んだのだ―。気鋭の新進作家が放つ、傑作歴史エンタテインメント。

著者等紹介

吉川永青[ヨシカワナガハル]
1968年東京都生まれ。横浜国立大学経営学部卒業後、会社員として勤務しながら執筆を開始。2010年に第5回小説現代長編新人賞奨励賞を受賞。11年に受賞作『戯史三國志 我が糸は誰を操る』でデビューする。同年『戯史三国志 我が槍は覇道の翼』を刊行し、第33回吉川英治文学新人賞の候補となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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巨峰

63
天下取りに焦る独眼竜伊達政宗。立ちはだかるは蘆名家家老金上盛備。戦国の最後の大きな戦の結末をじっくりと一冊かけて描いた傑作です。蘆名家家中の面々の描き方が秀逸だと思う。まぁ婿というのは乱世では難しいものですね。2018/08/11

とん大西

28
会津執権・金上盛備vs独眼龍政宗。この作品で盛備を初めて知りました。したたかでありながら忠義にあつく頑固な老兵は政宗にとって好敵手。両雄の策謀につぐ策謀が南奥州の覇権を争う摺上原合戦でクライマックスを迎えます。作家さん次第で武将達の新たな表情が見えたりするのが歴史小説のええところで。政宗の描かれ方は従来と大きく変わらないものの、若くして老獪、油断ならない切れ者、大志を抱く柔らかアタマという感じ。読了後、何で政宗は天下を取れなかったのかと思ってしまった。(摺上原合戦は今の時期みたい。暑かったやろなぁ…。)2017/07/03

Koning

23
芦名の執権盛備と伊達政宗の二人の人物がタイトルにある時を限る短い時の流れの中でもがきつつ対決する話なんだけれど、まぁ上手い。結果幻な訳だけれど、この二人の傑物を中心に彼らの部下達や同僚達、織田、豊臣の二人の天下人までちゃんと描かれているのはよござんした。胸熱く泣ける話ですね。なんだろ、手放しで褒めてるけれど、さすがにこれはって記述もなくはない。でも気にならない!(w。2013/01/03

スー

21
金上盛備と伊達政宗を中心にして蘆名、伊達、最上、佐竹、相馬、田村の生き残りをかけた攻防が生き生きと書かれていて興味深く読みました。盛備は会津の執権と呼ばれ蘆名の一門衆筆頭で家中をまとめ主家を守る為に奔走する。政宗は天下を目指すには蘆名を潰し会津の地が必要で、その為に暗殺を駆使していくが盛備が対処して持ちこたえる。しかし、政宗の謀略はジワジワ蘆名を弱体化していき、最終決戦の摺上原の戦いに突き進んでいく。結果がわかっていても蘆名と会津の為に必死な盛備に胸が熱くなり応援してしまいました。2017/12/08

なつきネコ

21
手にあせ握る名将の接戦。政宗と盛備の時を操る戦いが良かった。有利に思える政宗も秀吉という大敵がいた。それぞれの時に対し謀略で戦う。政宗の謀略はえげつない。当主を毒殺や、臣下を離反させる。盛備も信長や秀吉との関係を結び戦う。しかし、盛備の会津への愛と葦名への忠義は深い。対する政宗の歪みからくる天下への情念。彼らは時を恨みながらも必死に抵抗し戦い。二人の戦いは政宗がかったにも関わらず結局、秀吉の天下というのは無情。しかし、虎哉禅師の苦しみを抱え、たった一つ救いを得たときが遥かに尊いは胸を打たれる。2017/11/10

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