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最初の哲学者

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  • サイズ B6判/ページ数 190p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784344019140
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

偉大な父を超えるには、狂うしかなかった(「ダイダロスの息子」)。この世でもっとも憂鬱なことは、どんなことだろうか(「神統記」)。死ぬことと生きることは、少しも違わない(「最初の哲学者」)。世界は、“語られる”ことではじめて、意味あるものになる(「ヒストリエ」)。13の掌編から解き明かされる、歴史を超えた人間哲学。ギリシアをモチーフに、吉川英治文学新人賞・日本推理作家協会賞をダブル受賞の著者が満を持して放つ、文学の原点であり極上のエンターテインメント。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

財布にジャック

83
先日、阿刀田さんの「ギリシア神話を知っていますか」を読んでいなかったら、全くもってついていけなかったんじゃないかと思います。ギリシア神話を柳さん風味に味付けした短編集でしたから。ギリシア神話自体が決して綺麗ごとばかりのいい話ではないものの、それにしても「恋」のアリアドネ、「狂いの巫女」のクリュタイメストラ、「王女メデイア」のメデイアと揃いも揃って怖すぎる悪女のオンパレードでした。「ソクラテスの妻」を読んで辛うじて救われましたが、神様でも女を怒らせると怖いってことですかね。2011/07/12

R

52
ギリシャ神話や、伝説、物語をアレンジした短編集でした。元の話をあまり知らないので、書かれているどこがアレンジかわかりませんでしたが、とても楽しめました。よく知られた逸話を現代風といえばいいか、人間味あふれた内容に書き換えていて、クサンチッペの話はとても好きな物語でした。イカロスの異聞と呼んでもよさそうな短編も印象的。内情や心情の描写ではなく、物語のかっこよさを描いたようで読むのが楽しく感じられました。2017/09/19

ぺぱごじら

42
エーゲ海に伝わる神話・伝聞から実在人物の逸話までを網羅した物語は、実はある男が見聞し、纏め上げたものであった。古代ギリシャの人々は広場で男が語る話に、時に喜び・悲しみ・怒った。そして男は、古代ギリシャ史上最大の物語を記し始める…。全てを知らなくても話の切れ端くらいは憶えている古代ギリシャのあれこれ話を、ある歴史家の視点を通して、柳スタイルで新解釈し再編した物語。表題作と、ソクラテスの嫁の話が出色。他の話も怖かったりロマンティックだったりで愉しい一冊。ですが全編に溢れているのは、紛れもなく純粋な『狂気』。2011/01/15

ren5000

39
ギリシャ神話や古代ギリシャの出来事を分かりやすくまとめた短編集でした。ギリシャ神話が好きな人は物足りないかもしれないけど、その話知ってるぐらいの私にはちょうど良かった。ゆるい知識の補完にはよろしいんじゃないでしょうか。2017/04/10

烟々羅

29
9月17日、東京から関西に向かう前日にひと抱え購入した本の一冊。10月8日に東京に戻ってから読み始め、三日後の今日、読了。 「饗宴」でソクラテスとプラトンの人間関係を「少ない伝承に則って、空白部分に入れるフィクション」を描いた柳氏が、ギリシャ神話と文化を正面から描いた。 伝承そのままのはなし、登場人物の内心を推し量り加えたはなし併せて13篇はどれも短く読みやすい。ギリシャ神話や文明の登場人物の、名前はフィクションに知っているが正当な伝承をしらない少年少女に与える入門書として相応しかろう。→2013/10/11

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