内容説明
ワーキングプア、無縁社会、孤独死、引きこもり、自殺者年間3万人超など、気がつけば世界はとてつもなく残酷。だが、「やればできる」という自己啓発では、この残酷な世界を生き延びることはできない。必要なのは、「やってもできない」という事実を受け入れ、それでも幸福を手に入れる、新しい成功哲学である。
目次
序章 「やってもできない」ひとのための成功哲学
第1章 能力は向上するか?
第2章 自分は変えられるか?
第3章 他人を支配できるか?
第4章 幸福になれるか?
終章 恐竜の尻尾のなかに頭を探せ!
著者等紹介
橘玲[タチバナアキラ]
1959年生まれ。作家。2002年、金融小説『マネーロンダリング』(幻冬舎)でデビュー。「新たな資本論の誕生!」と賞された『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』(幻冬舎)が、累計30万部のベストセラーになる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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徒花
349
いわゆる世に氾濫している自己啓発本を問い直し、その意義に対して一石を投じるために書かれた本……なのだと思うのだが、読んでいるとあまりにも内容が散漫すぎて、結局なにがいいたいのか良くわからない本になっているような気がする。とにかくタイトルとか見出しのつけ方がうまいせいでなんだか興味をそそられるが、いざ中身を読んでみると話題があっちに跳び、こっちに跳ねるして、結局、タイトルの言葉がどういうことを示しているのかがわからなくなり、煙に巻かれてしまう。あんまり人に薦められる本ではないかな。2016/08/15
ehirano1
123
全ては遺伝でほぼほぼ既に決定されている、という前提であれば、弱点はほどほどにして(むしろ無視しても構わない)、強みを磨かないと生き残れない、という主張は合理的かと思います。一方で、前提が覆ればもしくは当てはまらない場合は、必ずしもそうではないということではないでしょうか。なので、現状況がその前提に合致しているかどうか確認することも必要ではないかと余計なお世話を焼いてしまいました。2023/08/08
パフちゃん@かのん変更
86
最初の勝間・香山論争に対する考察がわかりやすかった。勝間さんが真っ直ぐ意見しているのを香山さんがイチャモンつけているように思えていたが、勝間さんの「がんばればできる」という考え方そのものに無理があることも分かった。でもね。身体的特質だけでなく、才能や性格も遺伝でほとんど決まっていて、子育てのうまい下手は甘い関係がないとか、事実だとしても身もふたもない内容。好きなことを仕事にできれば幸せだが、好きでもそれで食べていける人は多くない。野球が好きでもイチローになれるわけではない。続きは再読で・・・2016/06/27
キク
80
世界は確かに残酷だと思う(ミカサも言ってたし)。でも、その残酷な世界を生き延びる方法がたったひとつであるはずがない。読者を煽るために、タイトルを盛りすぎだよな。、、、とか言いつつ、基本的には橘玲の本は好きで、結構読んでいる。「『やってもできない』ひとのための成功哲学とはなんなのか?」を考察していく。「知能の70%は遺伝で決ま」り、「ぼくたちは幸福になるために生きているけれど、幸福になるようにデザインされているわけではない(遺伝子を後世に伝えるようにデザインされている)」なら、どうするのか?結構面白いです。2023/03/22
Tsuyoshi
79
様々な事例や文献を用いて、遺伝に左右された能力や適正の有限性、閉鎖的なムラ社会の弊害とライトだが公平な貨幣社会の有用性を解説し、生き延びるために自分が好きな事(適した分野)でショートヘッドを目指せという結論で締められてあった。唯一の方法かと言われれば疑問符がつくものの、共感できる部分は多く、行き詰まったときなどは読み返したくなるような話だった。2018/02/05