内容説明
没後、21年を経て、昭和天皇が甦る。失いすぎた我々が今、求めているのは、まさにこの巨人ではなかったか―。大ベストセラー『戦争論』の続編にして『天皇論』の前編であるばかりでなく、日本と日本人を束ね、戦後65年をゼロからやり直すよすがとなる「象徴」を描ききった、小林よしのり畢生の巨編。
目次
「あ、そう」と受容する日本の伝統
昭和天皇はマッカーサーとの会見で何を語られたか?
終戦時、国民の天皇への思い
天皇は玉音放送で何を語られたのか
「聖断」という奇跡
昭和21年元旦詔書は「人間宣言」ではない
沖縄を守った天皇メッセージ
昭和天皇の御巡幸
決着!昭和天皇の戦争責任
白村江の敗戦 天智天皇に学べ
御文庫から
著者等紹介
小林よしのり[コバヤシヨシノリ]
昭和28年、福岡県生まれ。昭和51年、大学在学中に描いたデビュー作『東大一直線』が大ヒットする。平成4年「ゴーマニズム宣言」の連載がスタート(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mitei
86
この本を読むと昭和天皇の大御心の深さを思い知らされた。只々泣くばかりだった。当時の終戦の時の覚悟、玉音放送を聞いた国民の涙の訳は中々戦後とりわけ私のようなゆとり世代にはヘタしたら洗脳されてるとか思いがちだが、それは日本が崩壊しなかった後世から見た目線だと思った。当時は黄禍論というおぞましい思考が欧米に蔓延してる時代に日本も植民地化されることを真剣にみんな恐れていたのだと思った。改めて今も国家が存続できていることに感謝したい。2010/05/17
ころりんぱ
53
自分の感覚をひっくり返される本でしたが、最近ドラマ「天皇の料理番」を観て、天皇に戦争責任を取らせるべきかという場面で、日本人にとっての天皇の存在について「味噌と同じ、生まれた時からそこにあり、なぜあるのかなど考えたこともなく、ただ急に明日から味噌を一切食べられないとなったらひどく寂しい、天皇を無くしたら日本中で暴動が起きるだろうし、私もそれに加わる…」という内容の台詞が心に残っていたので、この本で書かれている天皇と日本人の関係が腑に落ちたのです。本により捉え方が様々なので、たくさん読まないとだめだ。2015/09/28
Y2K☮
44
人間宣言は「民主主義はアメリカに与えられたものではない」という復興宣言。且つ自虐史観の土壌にもなった。ダレスに米軍の駐留を要請したのは戦後の状況を考えれば国防的にやむなし。でも結果的に沖縄に過度の負担を掛け続けている。明治憲法下においても天皇は立憲君主であり、聖断による終戦という超法規的措置で国民は救われた。でも責任が内閣にある事を前提に「開戦決定時にも聖断は下せなかったのか」と疑問。軍や国民の様に「今回も何とかなる」と精神論的に楽観視していたとは思えないから不本意ながら憲法に従ったのだろうけど。難しい。2015/10/09
厩戸皇子そっくりおじさん・寺
39
昭和天皇は嫌いじゃないが、贔屓の引き倒し感は否めない。2011/03/12
たー
38
これは読まないとまずい本だ(天皇論とセットで)。昭和天皇のことを全然知らなかった自分が恥ずかしい。これほどまでに日本と国民のことを思い、政治手腕もあったお方だったとは…。また思った以上に質素な暮らしをされていたこともびっくり。2010/07/13