ワイルド・ソウル

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  • サイズ B6判/ページ数 525p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784344003736
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

1961年、衛藤一家はアマゾンの大地に降り立った。夢の楽園と信じて疑わなかったブラジルへの移住―しかし、それは想像を絶する地獄の始まりだった。逃げ出す場もないジャングルで獣に等しい生活を強いられ、ある者は病に息絶え、ある者は逃散して野垂れ死に…。それがすべて日本政府の愚政―戦後の食糧難を回避する“棄民政策”によるものだと知った時、すでに衛藤の人生は閉ざされていた。それから四十数年後―日本国への報復を胸に、3人の男が東京にいた。未開の入植地で生を受けたケイと松尾、衛藤同様にブラジルを彷徨った山本。報道記者の貴子をも巻き込んだ用意周到な計画の下、覚醒した怒りは300発の弾丸と化し、政府を追いつめようとするが…。それぞれの過去にケリをつけ、嵌められた枠組みを打破するために、颯爽と走り出した男女の姿を圧倒的なスケールと筆致で描く傑作長篇小説。

著者等紹介

垣根涼介[カキネリョウスケ]
1966年長崎県生まれ。筑波大学卒。2000年『午前三時のルースター』で、第17回サントリーミステリー大賞・読者賞をダブル受賞してデビュー。01年、第二作『ヒートアイランド』(共に文芸春秋刊)で、渋谷のストリートギャングと裏金強奪のプロフェッショナルたちの息詰まる攻防を描き、そのクールな文体とグルーブ感溢れる世界観が各紙誌の絶賛を浴びる
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

taiko

105
戦後日本で行われたブラジルへの移民政策。未開の地に降り立った衛藤を待っていたのは想像を絶する暮らしだった。…以前から気になっていた本。ただ、著者のハードボイルドな作品には若干の苦手意識があり、手に取らずに来ていました。もっと早くに読んでおけば良かったと後悔するほど、面白かった。メインの登場人物がとにかく魅力的で、その行動の緻密さ、人を殺めることの無い復讐劇に、魅了されました。知らずにいたブラジル移民政策を知ることが出来たことも大きな収穫。読み終えるのが惜しくなるほど、充実した読書時間でした。 2017/12/01

紫 綺

105
ジャックさんとナックさん、梅安さんとのやり取りにて興味を持った。本の厚さには引いたが、めげずに読了。サイコーに面白かった♪結末も爽快で大満足の一冊。明るい大藪春彦の世界といったイメージ。私は今、ちゃんと一人で立っているのだろうか?2014/01/25

Lara

95
読みながら思い浮かんだのが、「奇想天外」「荒唐無稽」「アンビリーバボー」「totally unexpected」等の単語。(乏しい語彙力)。重いテーマで、あり得ない展開だったが、読後とてもスッキリ感がある。垣根涼介氏は、人物、情景描写が素晴らしく、まるで映画を観ているようでした。2022/05/19

ずっきん

94
これはもう手元に置くしかないじゃないか!私にとっては移民政策もブラジルも身近ゆえ手が伸びなかった作品だったが、これから繰り返し読むことになるだろう。ここで薦められてページを開いてよかったと心から思う。読友さまに感謝!重い題材なのにワクワクが止まらない。読後感も最高♪ まさかのroda cirandaが流れるシーンは映像のようでたまらない。ケイも貴子も松尾も愛さずにいられない。何度でも会いたい。それにしてもブラジル人のことよくわかってるなぁ。ケイがああなのは、エルレインが育てたからだなあ。さあ、踊ろっ♪2017/11/17

クリママ

78
史実に基づいたブラジル移民の話、コロンビアマフィアの話、ハードボイルド、マスコミ、警察小説、恋愛小説、一冊にぎっしり詰まっていて、どれかに絞ってほしい気もした。アマゾン牢人と呼ばれた1950~60年の移民の悲惨を全く知らず胸が潰れる。政府、外務省に復讐し、その無能、無責任さを公にしなければ収まらない。残念であった人もいるが、それぞれが収まるところに収まり、季節は夏しかないブラジル人となった日系二世のしなやかな明るさにほっとする。2015/10/17

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