内容説明
めくるめく奇想と量子力学が織りなす究極のエクストラヴァガンザ。ＳＦジャンルでも稀に見る強烈なイマジネーションと深い文学的洞察、スタイリッシュな文体と多彩なアイディア、そしてエンターテインメントとしての無類の面白さが凝縮された、イギリスＳＦ・ファンタジーの巨匠Ｍ・ジョン・ハリスンによる渾身の傑作がついに登場。２００２年ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア賞受賞。
著者等紹介
ハリスン，Ｍ．ジョン［ハリスン，Ｍ．ジョン］［Ｈａｒｒｉｓｏｎ，Ｍ．Ｊｏｈｎ］
１９４５年生まれ。６８年、『ニュー・ワールズ』で短編“Ｂａａ Ｂａａ Ｂｌｏｃｓｈｅｅｐ”を発表、同誌にて編集者・批評家としても活動。第３長編Ｔｈｅ Ｃｅｎｔａｕｒｉ Ｄｅｖｉｃｅ（７４年）は新しいスペースオペラとして高い評価を受ける。『ライト』で２００２年ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア賞を受賞し、アーサー・Ｃ・クラーク賞の候補にもなった。続編Ｎｏｖａ Ｓｗｉｎｇ（０６年）ではクラーク賞、Ｐ・Ｋ・ディック賞を受賞した
小野田和子［オノダカズコ］
１９５１年生まれ。青山学院大学文学部英米文学科卒。英米文学翻訳家（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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ケイ
136
20世紀末の物理学者カーニーの研究と女のお話。それと2400年のスペースで船と一体化し海賊となった女の話。さらに、同じ2400年で電脳空間に生きる男の話。それが細かく入り乱れて進む。共通するのは？キーワードは？次第に分かってくるが、女性から快感を得られない男や、自らの肉体を持たない女、そして仮想空間に逃げ込む男や、好きな女のクローンと肉体関係を持つ男達が、ひたすらに哀しく、彼らが何かを見つけたのだとしても、否定できない彼らの現実が読むに耐えない。SF世界に幸せはないと確信するように思った作品だった。2017/05/10
NAO
54
１９９９年に生きる物理学者マイケル・カーニー。２４００年銀河の奥深くの放射線エネルギーの大海に生きる女海賊と、電脳空間に生きる男。全く会計内容に見える三つの話が、徐々に一つに集約されていく。量子物理学をベースにしたサイバーパンクなＳＦだが、どうしてこの手の話は、こうも猥雑で暴力的でセックス過多なのだろう。話は漠然としていてよく分からないし、時間がかかったわりにおもしろくないし、疲れた。2017/06/13
藤月はな（灯れ松明の火）
30
幻覚的ミステリー調な１９９９年、ファーストコンタクトSF、またはサイバーパンクな２４００年。一見、突拍子もない三者の世界で共通するのは骰子、宇宙船、遺体、そして白と黒の二匹の猫だった。頭の良さを鼻にかけるヒステリックなセリア・マウは好きじゃないけど、いきなり、実の父親に「男の全てを受け入れ、家族を機能させるための役割」＝死んだ母親の代わりをやんわりと強要されていたための戸惑いやそれゆえに募ってしまった嫌悪感には少し、共感してしまいました。2016/03/18
プロムナード
6
量子力学をベースにした新しいSF！という惹句でしたが、むしろサミュエル・ディレイニーあたりの古き良きSFから一歩も動いていない感じ。並行して進む３つのストーリーも表層的に絡む程度で、白猫やダイスなど鍵になる小道具をもっと活かして欲しかった！一番良かったのは、電脳世界に逃避している元宇宙船パイロットを主人公にしたパートで、巨大娘アニーやサーカスの女支配人が印象的でした。まあそれも80年代サイバーパンクのノリそのままですが…。2016/12/26
takao
2
ふむ2024/01/07
