内容説明
ボルヘスが、その最も早い時期に書き上げた、深い愛着とノスタルジーに満ちた、ブエノスアイレスへの熱きオマージュ。
目次
ブエノスアイレスのパレルモ
エバリスト・カリエゴの生涯
異端のミサ
場末の詩
こんな梗概も
拾遺稿
馬車名鑑
騎馬民族考
短刀
エバリスト・カリエゴ全詩集出版にあたっての序文
タンゴの歴史
二通の手紙
ボルヘスブエノスアイレス、あるいは都市のイマージュ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
内島菫
32
「エバリスト・カリエゴ」が何かはっきりわからないまま読む(以前ボルヘスの別の作品で読んだような読んでないような曖昧な記憶あり)。だから余計にこのカリエゴという詩人は、巻末の「ボルヘスとブエノスアイレスあるいは都市のイマージュ」という訳者の文章にもあったように、ボルヘスを通した姿で立ち上がる。それはまたボルヘスが述べるような、「追憶という文体もあり、その真髄は、事実の増殖にはなく、それぞれ孤立した出来事の持続にある。詩情は我々の無知から生まれるものであるが、2018/03/02
刳森伸一
2
ボルヘスによるブエノスアイレスとその場末の讃歌。初期の頃の作品ということで、形而上学に対する興味をボルヘス自身がうまく咀嚼出来ていない感じも受けるけど、後年のボルヘスを想像させるのに十分な内容。ボルヘス好きなら読むべし。2012/12/20